キンモクセイ
おばあちゃんに聞いた。
トイレとかに置かれて。
匂い消しだって。
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最初に聞いたのは曲だった。
綺麗なサムネに惹かれて。
次に思い出したのは、国語の時間だった。
確か、あれは銀木犀だったな。
最近は散歩中。
おばあちゃんとおじいちゃんとして。
その時教えて貰った。
綺麗な花だと思う。
とても、
行かないで、なんて願っても。
止まってるのは、僕なのに。
僕だけなのに。
行かないで、なんて願うのは。
傲慢だ。
自分が前に行けば、追いつけば。
そう、努力すれば隣に。
それすらもしなければ、
何にも出来ない奴には、
願うことも言うことも。
しちゃいけない。
ことだって、分かってるのに。
やればいいのに。
どうしてこうも。
何も出来ないんだろう。
考えるより行動なのに。
考えなくちゃ行動できない。
普通のことなのに、
考えることがズレてて。
結局。何も出来ない。
分かってんのに、
分かってるはずなのに。
何にも分かってない。
お願いだからさ。
誰も、どこにも。
なんにも、
僕を置いて。
変わっていかないで。
置いてかないで。
お願いだから。
「行かないで」
って願ってもさ。
結局なんにも変わらないって。
分かってんのに。
僕は、何がしたいんだろう。
誰にも見せない、誰にも渡さない。
私だけの、動かない標本。
冷えた朝は、冬であろう。
凍えた朝は、雪であろう。
この季節は、どうにも苦手だ。
この季節は、寒がりには強すぎる。
遊べれば、それでいいけど。
遊べれば、何が起きるかな。
起きたら、どうしようかな。
起きたら、やらなきゃいけないけど。
溺愛され、
綺麗に整えられたミルキーホワイト色の髪
と共に、
少しぶかそうな麦藁帽子が風に揺れている。
知らない、
黄色い花弁が舞い上がり。
紺碧の空へと広がってく。
その後見えたのは、
月の光に照らされ宝石のように輝く赤い瞳と、
色白で艶のいい健康的な肌。
そして、どこか歪そうな。
銀で加工されたオレンジの首輪。
飛ばされないように帽子を持つ腕を動かせば、
容姿を際立たせている
純白のワンピースも揺れる。
それを着飾るのはオレンジ色のリボン。
軽やかに動くその足は、
ワンピースと同じ純白のタイツで隠れている。
金色に光る月がこちらを見て、
その一瞬を思い出した。
身体がこちらを向き、月の光が真後ろになる。
逆光になっても色褪せない笑顔の輝き。
寧ろ、金色の光を取り込む魅了も持っている。
あぁ、綺麗だ。
とても、美しい。
いや、美しかった。
だから、
だからこそ、
何をしてても、
どれだけ生きても。
影を照らす光は、
君は、
今。