きらめく街並み…といえば今の季節だとクリスマスの事なんだろう。人はこの日だけは大切な人と馬鹿みたいに電気の元へ集まるんだ。
…僕?僕は去年までは…一緒に来てたんだけどね。やっぱり、僕の想いは伝えなかった方が良かったみたいだ。
1人見るイルミネーション程寂しいものはないんだな。
ってやっと今、知ることができたよ。
「ん。」
「…えっ?」
昼休み中に友達と話していると突然、顔も知らない奴から手紙を差し出された。
「えと…何?」
すると彼は何故かムッとして手紙を強引に受け取らせた。
「お前がそんな奴とは知らなかったよ!」
ほんとに何なんだ?突然怒ったり…名前も知らないのに…。
「ね、どしたの?」
友達に言われて我に返る。
「あ、ごめん。なんでもない。」
今、何か考えても無駄だろう。帰ってからゆっくり考えよう。
「あっ!そういえば手紙貰ったんだよな。」
…どうしよう…脅迫状とかだったら。でも俺、なんも悪い事してない気がするんだけどなぁ…。ま、とりあえず開けてみよう。
よくある白いシンプルな封筒の中には折りたたまれた紙が1枚入っていた。開いてみると、見覚えのあるはっきりとした字が書いてあった。うーん…いつ見たんだろう。その疑問は、手紙を読んだ瞬間すぐに答えが分かった。
手紙を渡してきた彼は、俺の幼い頃の親友だった。数年ぶりに喧嘩別れした後に会ったので全く分からなかった。…俺たちは昔、約束してたのに。喧嘩しても必ず仲直りできるように…秘密の手紙を渡して仲直りしようって。なんで忘れてたんだよ……。
……あれ?俺なんでここに居るんだ?
目を開けると飛び込んできたのは大きな星が煌めく夜空。おかしいな…さっきまで勉強してたはずなのに…。
「…うわっ、寒っ。」
やっぱりあの頃の季節なのか…。と、1人震えていると小さい頃の親友と瓜二つな少年が現れた。何も言わずにずっと此方を見ている。今、やっと分かった。何故ここに来たのか。
それは謝るため__今目の前にいる君に。ずっと謝りたかったんだ。僕が悪いばっかりに、君を怒らせて疎遠になってしまった。うん、今こそ謝罪するべきだ。
少年はまだ黙りこくってずっと俺を見つめている。
「…少年。今までずっと素直になれなくて…ごめんな。君はずっと待っててくれたんだよな。」
少年は少しだけ微笑む。
「もう、仕方ねぇな。許してやるよ。」
「…あっ、いつもの勉強机…。」
恐らく、俺は夢を見ていたんだろう。懐かしかったな。凍てつく星空の下で2人笑いあった日。ある日しょうもないことで喧嘩してから素直に謝れなかった時。
……うん、あいつとまた星空を見に行けるように…まずは謝らないとな。
君とずっと一緒にいる訳では無いから。
ずっと紡がれない。透明の糸。
前まではずっと一緒のはずだった。
いつからだろう。君が僕を嫌ったのは。
僕は今も1人きりで君を待っているよ。
失われた響き。君の声。
願っても願っても戻らない優しい君。
もう君は僕の事を好きなんかじゃない。
前まで僕に優しくしてくれた君の手を、もう一度、もう一度だけ繋げたら。いいな。