「なぁ、今度の土曜空いてる?」
そう送られてきたのは、午後八時五十二分頃だった。
このLINEの送り主は、幼馴染の裕太。
そして、私の好きな人でもある。
私は前にどこかで聞いた、「駆け引き」というものをしてみるために、少し時間を置いてから返信しようとした。すると、
「ちょっとあんたー!家の手伝いはやったの?!」
げっ、ママだ、、、私はその時、返信は後ですればいいよね。と思い部屋を後にした。
その日は忙しく、疲れてしまったせいか、気づけば寝てしまっていて起きた頃にはLINEの事など全く頭になかった。
学校に着くと、皆が私の方を見て何やらコソコソ話している様だった。
「皆?どうしたの、?」
皆は私をまるで”可哀想な人だ”と思うかのような目で私を見つめた。
その時私は教室を見渡して、あることに気がついた。
「裕太が、居ない、、、?」
裕太以外の皆は全員居るのに、裕太だけが、居ないのだ。
そして、裕太の机の上には、
綺麗なベゴニアが置かれていた。
「はッ、どんだけあんたメンヘラなのさ、、、泣」
題名「愛の告白」
#1件のLINE
はぁ、はぁ、やっと、やっと逃げれた。
私は今日の今日まで、元彼に監禁されていたのだ。どこにも行けない。窓一つない部屋に閉じ込められていた。
そこからやっと解放されたのだ。
嗚呼、なんて幸せなんだろう。
街の明かりが見えてきた。はやく、はやくどこかの家で匿って貰わなきゃ、!
ぇ、?
そこには、真っ赤に染まった街があった。
ぇあ、なんで、?なんで燃えてるの?
おかしい。そんなわけが無い。私は混乱する頭を落ち着かせようと、何度も何度も同じ思考回路を巡らせた。
「もう、あんだけ何処かに行ったらダメって言ったのに、、、」
っ!?なんで、なんであんたが、、、
「君が悪いんだよ?君が逃げ出すから、、、」
わたしのせい、、、?わたしがわるいの、?
そっか、わたしがやったんだ。
「ほら、家に帰るよ。」
私は何も言葉にせず、ただ、小さく頷いた。
彼と手を繋いで、二度ともう逃げないことを胸に誓った。
題名「間違った誓い」
#街の明かり
私さ、学校じゃ「推しの痛バが組めますように」って書いたよ。って言ったけど、本当は、「みんなとずっと一緒に居られますように」って、短冊に書いたんだよ。
皆は、知る由もないよね。
#七夕
ねえ、覚えてる?
私たちが小学5年生ぐらいの頃のこと、私貴方が好きだったのよ。
帰り道、誰も居ないからって手を繋いだでしょ?私すっごい嬉しかったんだからね。
バレンタインも、クリスマスも、貴方の誕生日も、私は欠かさず手作りのお菓子を持っていったわね。
私ね、貴方の家に仲いい子ですらあまり入れないってことを聞いて嬉しかったのよ、だって貴方、私をさらりと家に入れたじゃない?
絶対に脈アリだと思ってた。でも、貴方は別の人が好きだった。
今私は別の人と、幸せに過ごしています。
貴方が前にくれたメッセージ。
「君のこと、まぁすきっちゃすき。」
ケータイの扱いにまだ慣れていなくて、誤字ばかりだった貴方が、初めてちゃんと打てた文字。
その時私は既に今の彼氏と付き合っていた。
ねえ、なんでかなぁ、なんで、あの時にその言葉を言ってくれなかったの?
もう、手遅れだよ。
でも、私はずっと、貴方と手を繋いで帰ったあの帰り道を忘れない。
#友達の思い出
窓越しに見えるのは、いつもの風景。
何も変わらないいつもの風景。
同じように見えて、全部違う。
雲の位置も空の色も聞こえる音も、全部全部違う。
だから、私は1日を、1秒を大切にしたい。
#窓越しに見えるのは