うつろぶね

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10/11/2024, 11:05:45 AM

『涙の理由』

冷房が切られた、生暖かい風に包まれる夏の放課後、私は教室で机に顔を沈めていた。この汗は誰にも見られたくなかった。
しかし、私のその願いは叶いそうにもない。
なぜなら、前の椅子に座って私の様子を伺っている奴が既に居るからである。しかも、1番会いたくない人。神様ってやつは本当に意地悪である。
寝てるふりをして誤魔化してどうにか教室から出てもらおうと企てたが、かれこれ30分ぐらいは経っているような気がする。空もオレンジにきっと変化しているだろう。
仕方がないから、顔をあげた。奴は私の目が腫れていることには気づかなかったみたい。
でも、また少し泣きそうになった。私のことを見てくれないこと。

10/8/2024, 10:47:45 AM

社会人1年目。充実もしつつ、目まぐるしい日々を送っている。パソコンとのにらめっこの末、ようやく今日も帰路につけた。
暗闇の公園で1人ベンチに腰掛ける。今日は肌寒いからホットにしよう。ミルクティーを自販機から取り出す。温かい液体が沁み渡る。
しばらくして、隣に酷く疲れた顔をした彼が座った。もうミルクティーは冷めていた。「お疲れ様です。」と互いを労って、今週の出来事を遡った。
ゆっくりなテンポで、暖かい空気が流れる。
幸せな空間は早かった。
今度はいつ会えるか分からないけれど、また「お疲れ様」と言い合えるように明日からも頑張ろう。

9/29/2024, 3:10:59 PM

自分だけの城。誰の色も入れされない。自分がここでは正義。ここから1歩でも踏み出せば、通用しない。何もかも。何に縛られることなく、静かなこの場所で深く眠る。これこそが、最高の幸せなのだ。
恋人はここだ。ずっと一緒にいる。これからも私にとって一番の居場所なのだ。