何処

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8/25/2025, 12:57:13 PM

「もう一歩だけ、」

そこら辺の切り株の上に腰を下ろして本を開いた。
その切り株に生えていたキノコから芋虫が這い出た。
芋虫は少年の体を登って頬に触れた。
少年は芋虫を気付かずおにぎりと一緒に喉を通した。
米と一緒に食道を通り、跡形もなく消化された。
必要な養分だけ吸い取られ、残りは捨てられた。
僕と君がご対面したのは白い便器の中と外だった。
茶色い塊になった君は酷い臭いを発していた。
心做しか君が微笑んだ…って意味の無い妄想をした。
生憎僕は正義なんて信じていないもんで、
躊躇なく[大]と書いてあるボタンを押して見送った。

【#177】

8/24/2025, 3:54:42 PM

「見知らぬ街」

嫌な時間って嫌だけど
いつかは終わる。
好きな時間って楽しいけど
いつかは終わる。
不平等って苦手だけど
この時ばっかりは不平等がいい。
って願望。

【#176】

8/16/2025, 1:21:37 PM

「遠くの空へ」

もし貴方がショートケーキより
チョコレートケーキの方が好きなら、
私はチーズケーキをあげるわ。
だって私の好物なんだもの。

【#175】

7/31/2025, 5:15:57 AM

「熱い鼓動」

汗と涙と海水は、同じ味がした。
僕らが生きて垂らした汗水は、
蒸発して海になる。
だから海はしょっぱいの。
僕らが海を作っていたから。

【#174】

7/25/2025, 1:46:57 PM

「半袖」

お戒壇めぐりをしながら、
カメムシになった私を探して。
光を使ってはだめ。ルール違反。
床なのか壁なのか天井なのかは、
私の気分次第だわ。
見つけたらそのまま手に取って、
そのまま貴方の手のひらで握り潰して。
貴方に一生私の香りが残るように。

【#173】

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