【後悔】
«»どうだい?君、生きていた中で未練や後悔はあるかな?«»
と目の前に存在している
白いモヤのような"何か"(とても一言では表せない、名状しがたいもの)が言った?いや、脳に直接話しかけた?
"それ"の事を考えるとキリが無いので当たりを見回した
見たことない白い空間のような場所
"それ"がさっき言っていた〖生きていた中での未練や後悔〗とは?
僕は死んだのか?
«»んーと、まだ状況が理解出来てないみたいだね、ボクから一言、言うと君は通り魔に刺されて死んだよ〜っていうか、一応生きてはいるんだけど、ほぼ死に近いって言うのかな?«»
どうやらまだ生きてはいるらしい
つまり、此処は現世とあの世の狭間みたいなところか
«»うん、その通り!よくわかったね!«»
どうやら、この喋り方が少々ウザイがそうらしい
«»ある程度、状況が理解出来たみたいだね!
じゃあ、もう一度聞くよ、生きていた中で未練や後悔はあるかい?«»
未練や後悔…
パッと思いつくものは無いがちゃんと考えてみた
後悔…
僕にとっての…
それは、生き残ってしまった事
僕がまだ17歳ぐらいの頃、家族で無理心中をした。理由は知らない。
父と母、それから妹も弟も死んだ
何故か僕だけ生き残った
初めのうちは孤独と収束感でいっぱいだった。
高校を何とか卒業したあとは何度も自殺を試みたが未遂で終わった。
就職した後もその事が頭から離れなかった。
そんなある日の夜、連続殺人事件の被害者になった。
僕はこれで良かった。って思った
これでようやく、開放された
だから…
『僕に後悔や未練はないよ』
«»ふ〜ん、そっか、ならいいや、ほら、ボクに着いてきなよ、君を死後の世界に連れてってあげる!«»
『ありがとう、ところで最後にお前に聞きたい事がある』
«»ん?なになに«»
『なあ、お前が…』
ドン
"何か"に背中を押された。僕は振り返って"それ"を見た"それ"は白いモヤのようなままだったがどこかニタニタと笑っている気がした
まるで、僕を……嘲笑うかのように
そして僕は死後の世界へ真っ逆さま
«»はは、ハッハッハッハ、はぁ、危なかった
やっと始末できたよ、ボク達にとっての敵がさこれで落ち着いて仕事に取り組めるよ…
ボクら死神の…ね?«»
【風に身をまかせて】
あーもう嫌だ、疲れた
いっそ風に身を任せたら
楽になれるだろうか
そんな事を思いながら
俺は今日も生きている
【子供のままで】
ずっと子供のままでいたい
そんな密かな思いからだった
僕の歳が変わらなくなったのは…
ある日の事僕は親にバレないように森に遊びに行った
初めて来た森の中は暗くて少し怖かったけど何が待ち受けているのだろうという好奇心に満ち溢れていた
奥へ奥へ進んでいくうちに段々と日が沈んでいった
僕は道に迷ってしまった
どうしようと困っていると一人の女性が目の前に現れた
「坊や、道に迷ってしまったかい?私が森の外まで案内してやるから着いてきなさい」
と女性が言った
女性は黒い服を着ていて帽子を深く被っていて表情がよく分からなかった
けど、ここから出られるならと思った
「う、うん、おばさんはここによく来るの?」
「ああ、勿論来るさ、薬草やらを摂りに行かないと生きてけないからねぇ」
「薬草?おばさん、お医者さんなの?」
「いや、まあ、そんなところかね」
お医者さんじゃないのになんで薬草なんか集めてるのだろうと思った
「ねえ、坊や、坊やには願いや想いはあるかい?」
願いや想い
だったら!
「うん!僕ずっとこのままでいたい!ずっと子供のままで生きていたい!」
と言うと突然視界が暗くなった
〖そうかい、坊や、素敵な願いだねぇ、私が叶えてやるよ、……………で…る……を〗
と女性が最後に言った気がした
目が覚めると父と母の心配そうな顔が初めに見えた
「父さん、母さん?僕、勝手に…」
「よかった、生きてた…」
と母さんが言った
その時僕は決意したもう森には行かないって
その日から1000年の月日が経った
僕は子供のまま思考は大人になった
今の僕には、家族も友達もいない
僕は…
ずっと独りだ
【愛を叫ぶ】
僕は君が大好きだ!
いっそ、大きな声で叫んでしまいたい
けど1度も言ったことが無い
だって言ったら僕がどうにかしてしまうから
もし、言ってしまったら僕が僕では無くなってしまうかもしれない
だからずっと心にしまって置くんだ
君への想いをちゃんと面と向かって言えるようになるまで…
【モンシロチョウ】
ひらひらと舞う白く美しい蝶がいた
僕はその蝶を捕まえた
けど、蝶の羽は折れて動かなくなっていた