8/16/2022, 3:59:03 AM
『夜の海』
海に来た、音しか聞こえない夜の海は私の平穏だった。
誰が来てもここでは目が見えない私と同じ
波の音が、潮の匂いが、風が私を包むだけ。
「この時間だけは君と同じ景色を僕も見れるね」
隣で笑う暖かな声に私も笑い返す。
「でも私はあなたが教えてくれる景色が好き。
同じ景色は見られなくても、共有することはできるから」
頬にあなたの温もりを感じながら、今日も夜の海に体を預ける
7/28/2022, 10:57:39 PM
『お祭り』
祭囃子に太鼓の音、金魚のように揺れる帯
色鮮やかな屋台と浴衣が眩しい夜に、
隣でりんご飴を舐める恋人の唇が一際鮮やかに見えた
7/22/2022, 2:22:31 PM
『もしもタイムマシンがあったなら』
あの日の失敗を無かったことに出来たらいいのに…
7/19/2022, 2:13:57 PM
『視線の先には』
私とあなたの視線はいつも合わない
彼の見てる景色を知った時、私の恋は叶わないと悟った
6/27/2022, 7:47:19 PM
『ここではないどこかで』
昔から何度か見る夢がある
そこは知らない場所ででも見覚えのある場所
季節は初夏、私はどこかのお嬢様で
家の所有する空き地には作業をしている男の人が沢山いる
ワイシャツにスラックス、今じゃない昔の風景
私は毎日決まった時間に来て、1人の男の子と垣根で話をする
そんな夢
彼も皆と同じ恰好、きっと使用人の1人なのだろう
私より少し年上でとても落ち着いている人だった。
きっと私は彼に恋をしている。
彼の名前を呼ぶ事が、彼に名前を呼ばれる事が何よりの幸せ
絶対に結ばれない恋…
これはきっと
ここではないどこかの、遠い昔の私の記憶