【星空の下で】※長文注意
屋上で深呼吸をする。
肺から冷たい空気がゆっくりと全身に巡っていく。そんな気がした。冷たすぎて少し頭がクラッとしたが、それさえも心地良いと思える。
春が来たと思えば、夜はまだ寒い日が続いており、四季がはっきりしていない。けれど、私が【生きている】時間帯は夜だ。だから、私の中ではまだ冬。
私は、なんで生きているんだろうか。
ふと、そんなことが頭に過る。
この病院で3週間過ごしても、この車椅子にも慣れないし、この病院の日々も慣れていない。
ことの発端は全て私のせいなのに。
この傷も、この慣れない生活も、この性格も、この罪も。
私は、生きながら死んでいる。
「星、綺麗だな」
月より、星の方が好き。だって、星はいっぱいいて一人じゃない。でも、私は、星になりきれない月だ。
「あー、冷たっ!頭が冷えるわ〜」
突然後ろのドアが開き、私の担当医が隣に来た。
「出た。ヤブ医者」
「誰がヤブ医者だ。心優しいお医者さんだわ」
この先生が、自分を責めても何もならない、と教えてくれたんだ。本当に感謝してもしきれない。
「星、綺麗だよな。」
先生が夜空を見上げる。懐かしむように目を細め、柵に体重を掛ける。
「お前の足、絶対治してやるから。」
「……ありがと。」
夜空の下、先生は誓ってくれた。星空が降る夜の日に。
【大切なもの】
辛いことを経験してきた人ほど、
生きているありがたみを分かっている人ほど、
目に見えない本当の「大切なもの」を分かっている
【二人ぼっち】
世界で二人ぼっちになったみたい
夜の闇が頬を撫で
深夜を越えた
僕等の物語
【不条理】
世の中は不条理で成り立っている。
そう、長年警察官をやっていてつくづく思う。
不条理な世の中だ。
今でも、実際には善人でも世の中では悪人とみなされる、そんな世界だ。
けれど、僕等はそんな不条理な世界だからこそ、生きていられる。
不条理の上で成り立っている。
不条理の死があることで生きている。
だから、つくづく思う。
世の中は、本当に不条理だ。
「なーにむずかしー顔してんの?」
「……上官、」
「ま、今日は呑みにいこーぜ!」
「ちょっ、」
「不条理な世の中だけど、不条理な死を遂げた人を無駄にしないために、俺等がいるんだろ?」
「……はい。」
僕等は、今日も…
【星が溢れる】
星降る夜空を見上げて
君と指を絡める。
そんな未来も、あったのかな。
隣の温度を感じない夜は
酷く冷たく、酷く孤独だ。
涙が溢れて
流れ星のように頬をつたった。