私の誕生日
2人で 婚姻届を出しに行った
私の誕生日
2人で 離婚届を出しに行った
私の人生の節目
ドラマチックにしたくて
あえて 誕生日を選んで
2人で 行ったんだ…
その夜
2人で 乾杯をした
どちらも 最高で
特別な夜 になったよ(泣笑)
#特別な夜
漁師の弟がいる
漁師町に生まれた私は
海の
美しさと怖さを
身近に感じて育ってきた
低気圧 大時化 台風
そして あの 大津波…
様々な顔をみせる大自然は
美しくも 畏れ多い
『板子一枚 下は地獄…』
弟は 何度も地獄を経験してきた
仲間も たくさん失ってきた
それでも 海が好きで 好きで
漁師を 辞めようとしない
「海が大好きだったオヤジ達が
そこ(底)で待ってるから…」って…
陸(おか)に上がって
優しい顔に戻った弟が
焼酎割りを飲みながら 呟くのだ
夜明け前 弟は
雪降る港を また後にした
家族の祈りは
今日も 続く……
#海の底
東日本大震災 能登半島地震…
また これまでの様々な災害により
亡くなられた方々の 御冥福を
心よりお祈り申し上げます
自分の泣き声で 目が覚めた
夢と現実のシンクロ…
涙はとっくに
枯れたはずだったのに…
やっぱり
君に会いたくて
君に会いたくて
君に会いたくて
君に会いたくて…
二度と会えないと わかっているのに
それでも
君に会いたくて
君に会いたくて
君に会いたくて
君に会いたくて…
沈んでゆく
沈んでゆく……
モノクロの 夜の底……
#君に会いたくて
涙は
枯れ果てた
火を焚き
昨日までの
私を
ひとり 弔う…
そして
今
私は
暁とともに
蘇る…
#閉ざされた日記
昭和の幼少期
木枯らしが吹く日でも
しもやけになるまで
毎日 外で遊んでいた
とある日
近所の線路を伝って
どこまで行けるか
友達2人と弟の4人で
ちょっとした冒険に出た
着いた先は 隣町
見知らぬ神社の階段で
持参した風呂敷をマントにし
姉弟 対 友達での戦いごっこ
やがて勝ち敗けでケンカになり
友達2人は 帰ってしまった
……………
冬の夕暮れが 突然顔を出し
真っ黒な神社の森が
背後から追いかけてきた
風呂敷のマントをつけたまま
泣きじゃくる弟の手を引いて
昼来た道を引き返す
だけど
楽しく来たはずの線路は
どこまでも暗く果てしなく
繋いだ弟の手が
ここを戻っちゃダメ! と 訴える
木枯らしに凍えた涙が
紅くひび割れた頬を
ヒリヒリと容赦なく突き刺した
痛い…寒い…怖い…
帰りたい…おうちに帰りたい…
…おかあさん…おかあさんっ!!…
途方に暮れる
日も暮れる…
冬灯(ふゆともし)の 迷い道
#木枯らし