誰も未来なんて予想できない
なのに、みんなが俺たちを占い師かなにかと勘違いしてくる
俺は気象予報士なだけで
決して予言者じゃないんだ
科学的にデータを集めて天気図を読み解く
今までの統計がものを言う仕事だ
だから昨今の温暖化や
急激な熱帯低気圧
線状降水帯など
発生状況のメカニズムのデータが
揃ってない現象は予測出来ないことがある
なのに
日々の予報が外れただけで大ブーイング
テレビの天気予報なんて
5分尺がニュースに押されて短縮当たり前なのに
その貴重な数十秒を
「謝罪」に使えと苦情がくる
ある時、傘を持って出たのき晴れてたというクレームがきた
いいじゃないか、晴れてたなら
俺は未来を予知してるんじゃない
少しでも災害に対する心構えが出来るように
日々研究してるんだ
だからあえて言おう
「降水確率30%のときは傘を持って出ろ」
あとキャンプの前日に
俺にメールしてくんのやめろ……
秒、分、時間、
日、曜日、月、年
時間の単位で一番長いのは年だね
だから一年だけ一緒に住んでみないか?
1年前そう約束して住み始めたはずだった
なのに……
猫を拾うのは反則じゃないか?
たぶんこの先10年以上の約束になりそうだ
「どんな本が好き?」
唐突に聞かれた質問に答えを窮した
好きな本って……
結構その人の好みがバレちゃう
いや、薄い本の好みを聞かれたわけじゃないけど
だからといって当たり障りないものを言って
つまらないと思われるのも
「うーん
そ、そうだなミステリとか?」
あー当たり障りのない答えをしてしまった
と後悔して数秒で次の後悔の波が寄せてきた
「どの作家が好き?」
「頭痛が痛い」
やっと絞り出した声に対するパートナーの答えは厳しかった
「重複表現だよ」
分かってます
分かってますけどそんなことに脳みそのシナプスを震わせたくないほど頭が痛いのです
まどから覗くあいまいな空
晴れでもなく雨でもない曇天
こういった気圧の変わり目にくる所謂天気痛に悩まされる
頭痛が痛いは重複だとしたら
天気痛が痛いはいいのか?
いいよな?
だって天気が痛いじゃ意味わかんないもんな
と、反論したかったが
頭がそれを拒否し
光と音を遮断すべく
私はまた布団を被った
あじさいは
土壌のpHで色が変わるんだって
だからこの群生してるあじさいのほとんどが
薄ピンクなのに
ここだけ薄青色
ということは、
この土壌だけアルミニウムが多いんだね
なにか埋まっているのかな?