「どんな本が好き?」
唐突に聞かれた質問に答えを窮した
好きな本って……
結構その人の好みがバレちゃう
いや、薄い本の好みを聞かれたわけじゃないけど
だからといって当たり障りないものを言って
つまらないと思われるのも
「うーん
そ、そうだなミステリとか?」
あー当たり障りのない答えをしてしまった
と後悔して数秒で次の後悔の波が寄せてきた
「どの作家が好き?」
「頭痛が痛い」
やっと絞り出した声に対するパートナーの答えは厳しかった
「重複表現だよ」
分かってます
分かってますけどそんなことに脳みそのシナプスを震わせたくないほど頭が痛いのです
まどから覗くあいまいな空
晴れでもなく雨でもない曇天
こういった気圧の変わり目にくる所謂天気痛に悩まされる
頭痛が痛いは重複だとしたら
天気痛が痛いはいいのか?
いいよな?
だって天気が痛いじゃ意味わかんないもんな
と、反論したかったが
頭がそれを拒否し
光と音を遮断すべく
私はまた布団を被った
あじさいは
土壌のpHで色が変わるんだって
だからこの群生してるあじさいのほとんどが
薄ピンクなのに
ここだけ薄青色
ということは、
この土壌だけアルミニウムが多いんだね
なにか埋まっているのかな?
あれは緊急事態宣言がでて
自宅勤務を余儀なくされてた頃
パートナーと家で仕事しながらこんな会話をしていた
「ねえねえ
街中華って一見さんお断りな感じしない?」
「するする!
間口から覗く店内が暗くて
偏見だけど店主が頑固そうでさ」
「で、
それを打破するために
ジャジャーン
コロナ禍で中華店のオジサン
店を維持するために
店前でランチ売ってたんだー
今日のお昼はチャーハンと豚角煮でーす」
「すばらしい!
街中華サイコーーーー!!!!」
なーんて話していた去年
今はお弁当を店前で売ることも無くなった
私たちはと言うと
あの時の経験値はボーナスステージだったからか
やはり中に入る勇気は
出せないままである
やりたいことと
やれることはちがう
そして
やりたいけど、、、
と言い訳を探すんじゃなく
「やる」んだ
人生は短い
やりたい
と思っているうちに
やってしまうことが重要なんだ
いつだって、遅いなんてことはない
いまこの瞬間にスタートを切れば
それはやりはじめたことになるんだよ