!?の感情
byいとこ
もう8月、もうこんな時期か〜
早い!!
by妹
「最近、暑くなってきたなぁ」
私は一人椅子に座りながら、部屋の中でそう呟いた。
近頃、夏の気配を感じる。
……あれ? 夏の気配の他にも別の気配を感じる……
まるで、誰かに見られているような。
私は恐る恐る後ろを振り向いた。
「……きゃーーー‼︎」
色が黒く、触角の生えた誰もが嫌いでたまらない物体がいる。
それはゴキブリだ。
私は失神しそうになりながらも、近くにあった新聞を手に取り、光の速さでゴキブリを叩きにいく。
あっ……逃げられた……
どこに行ったか分からなくなったアイツを一生懸命探す。
何分探しても居場所がわからないので、最終的には諦めることにした。
ゴキブリ、嫌だなぁ。
もしも君が逃げようとしても、俺は絶対捕まえるよ。
だって君を愛しているんだから。
重いって? それがどうしたの?
君を絶対逃がさない。
フフッ。
「待って!」
私はコロコロと転がっていくおにぎりを追いかけていく。
なんで止まらないのよ……
おにぎりの勢いは増すばかりだ。
「痛っ」
私は勢いよく地面に尻餅をついた。
ふぅ、やっと捕まえた。
私は少し、いや結構汚れたおにぎりを手に持ち、辺りを見回す。
「ここは……どこなのよ……」
高層ビルや電車などはなく、あるのは畑や、森などの自然ばかりだ。
私が住んでいた東京とは全く違う。
「大丈夫ですか?」
いきなり声をかけられる。
かなりのイケメンだ。
程よい筋肉、すらっとした鼻、透き通った瞳……
「どこか痛いんですか?」
「大丈夫ですっ!」
私は我に帰り答える。
「おにぎりを追いかけていたら、ここに来てしまって……」
「……何年頃から来られましたか?」
妙な質問をされる。
「2025年から…です」
彼は「やっぱり」といい、私に説明し始めた。
「あなたは過去の時代に来てしまったんです。この場所には次元の狭間があり、頻繁にこういうことが起きてしまうのですよ。……あと、戻ることはできません」
「!!!!!!!」
そ、そんな……
まぁ、そういうこともあるよね。たぶん。
私は無理やりこの状況を受け入れた。
■■■
3年後---
私は、この地域にもすっかり慣れた。
そして、あの時会った彼と結婚をしたのだった。