朝起きて店の準備をする
床を掃き ゴミを片付け 鏡を拭く
しまってた道具を取り出し いつもの場所に置いていく
全て整い いつもの時間に店を開ける
少しして お客様が来店する
「こちらにどうぞ」
席に案内し 本日の希望を聞く
ご希望通りに仕上げると 嬉しそうに笑うお客様
「ありがとうございました。また、お願いします」
会計を済ませ お礼を言いながら店を後にするお客様
その後も 何人ものお客様を対応する
その度に 笑顔で帰ってくお客様が見れる
その顔が この仕事で1番嬉しい瞬間
閉店時間になり お店を綺麗に掃除する
また明日も 沢山の笑顔を見るために
さらさら
毎日、学校から家に帰り
カバンを部屋に置いて軽装に着替える
小さなメモ帳とペン、スマホをバックに入れて家を出る
ゆっくりと歩きながらメモ帳のページをめくる
昨日は公園、一昨日は神社、一昨昨日は少し離れた浜辺
何も考えず、ただゆったりと歩みを進める
しばらくして見えてきたのは色が澄んでる川
「今日はここにしよう」
近くの草むらに腰を下ろし、スマホで写真を撮る
何枚か撮ったあと、ペンを握りメモ帳に綴る
静かに時間が流れ、そろそろ帰ろうと思い立つ
何も考えず、ただ足がむく方に
___ どこへ行こう___
初めて出会ったのは秋。大学で一目惚れした。
それから全力でアプローチした。
恋が実り、付き合って4年。僕からプロポーズして。
君は照れながら僕の目を真っ直ぐ見て
「これからもよろしくお願いします」って。
それからは忙しくなったけど、苦じゃなかった。
2人で1緒に結婚式の準備をした。
楽しそうにウェディングドレスを選んでる姿は
今でも忘れられないくらい、輝いていた。
そして今日が、結婚式。
緊張も凄いけど、なによりも君の姿が綺麗で。
あぁ、僕はこんな素敵な女性と結婚できるんだなと。
僕と目が合ってはにかむ顔がとても愛らしかった。
幸せにすると心から誓って、そっと口付けをした。
君と一緒に
肌寒い日が続いていたけど、今日は暖かい。
家に籠ってばかりだったし散歩でもするか。
外の空気はやっぱり美味しい。
歩いてると気分もすっきりする。
なんとなく、走りたくなって走ってみた。
「…懐かしいなぁ」
1粒の涙とともに、ポツリと零れた一言。
愛犬がいた頃は、よく一緒に走っていた。
いつも“君”の方が速くて。僕が置いてかれてた。
“君”は僕を見て『おそーい!』なんて言ってたっけ。
「逢いたいよ……もう、そっちに行ってもいいかな」
彼女は、愛犬が亡くなった2日後に
交通事故でこの世を去った。
愛犬が寂しくて彼女を連れてったのかな、なんて。
いくら外が暖かくても、日差しが良くても。
僕の心は冷えきっていて、寒いんだ。
だから。 だから、どうか。
また逢える日を願っているよ。
“冬晴れ”
「あなたの心は元気ですか?」
ふと思い出した。誰かに言われた言葉だ。
その時は何もかも諦めていて。全てが嫌で。
この世界から逃げ出したくて。
でも、逃げ出すことを世の中は許してくれなくて。
周りも僕を嫌っていて。家族にさえ蔑まれて。
そんな自分がいちばん嫌いで。
いっそのこと、消えてしまいたい。って
そんな僕に手を差し伸べてくれた誰か。
誰だったけ…あぁ、そうだ。思い出した。
思い出したくなかった。
昨日、あの世へ旅だった
たった1人の、僕のかけがえの無い存在。
やっとの思いで結婚して、幸せで。
なのに今は、こんなにも苦しい。
また言ってよ。何度でも聞いてよ。君の声が聞きたい。
「あなたの心は元気ですか?」
【心の健康】