鳥のように
山の中
こっここっこと
呟きながら
ぼくはいるのさ
鳥のように
水の上
周りに輪っかを
作りながら
ぼくはいるのさ
今のぼくは
もうそれだけ
きみはみつけてくれるかな
それとも滅んでいくのかな
空は繋がっている
人は言うけれど
そんなもの人と人なんて
お互いの気持ちなんて
わかるわけない
わかったふりをしていただけ
離れた時から
離れていく
心と心ももう見えない
君の笑顔も
君の背中も
全てはもう夢の中
伝えること
掴まえること
何もかもが昔の話
思い出すのは君の言葉
そういうことか今さら気付く
年老いていくこの体に
痛みが走るさよならを言う前に
誰も知らないところで
よせる波のように
繰り返す鼓動
重ねた両手
いつも夢に見るあの日にかえっていく
遠い遠い昔の僕にそんな幻
貝殻をまた濡らしては
砂をまたさらっては
時はつれていく闇の中へ
夜の海やがてまた一つ未来のページを開ける
自転車に乗って
たどり着いた甲子園
陽射しの中で
聞こえてくる声援
あの日の僕は青春の真っ只中で
だけど何をすればいいかわからずにいた
誰も知らない僕たちだけの夏
少しずつ離れていくこと
大切なことを何も言えずに
いることにさえ気付かずに
はー、バカぢゃねーの
ほんまに恥ずかしいわ
今思えばめちゃくちゃ悪いことした
めちゃくちゃごめんなさい
上手くいかなくてもいい
ふと考えてしまう
ただがむしゃらにぶつかったあの頃のことを
何も見えずただ手探りで生きるしかなかった頃を
この世に生まれて自分という存在に気づき
窓から見た世界は
人々がおそらく日本語ではない全世界共通の言葉で語らい
私はその言葉が理解できずただ羽ばたいて見せたり踊って見せたりして人々の反応を試していた
人々がなぜ笑うのか
人々がなぜ怒るのか
自分という存在と
人々という存在
そのすべてが理解不可能な研究対象で
こちらがわには誰もいないし
向こう側にすべてが有った
今は上手くいかなくてもいいなんて
簡単には言えなくなった
私はあいも変わらず一人で有るが
その研究成果なのかただがむしゃらにぶつかることなんか無くなった