haru

Open App
11/26/2024, 3:06:13 PM

微熱がひかない
音もなく襲ってくるウイルスを
蓄積した重い身体で今日も電車に揺られる
とびきりのつらさじゃない
それがつらい
みんな我慢しているんだと言われると
何も言えなくなる
とびきりのスウェットで
お気に入りの音楽をきいて
今日くらいはぐっすり眠ろう
わたしだけはこの微熱を熱と認めてあげよう

「微熱」

8/2/2024, 3:26:21 AM

明日もし晴れたら
紺色のチャリで
文学部棟のある方の門から
始業3分前に
君はきっとやってくる
だから、
明日もし晴れたら
ぼくは
寝癖のついたアッシュブラックを
探しながら
わざわざ遠回りして
工学部棟にある二限目の講義室に
向かうことになるだろう


「明日もし晴れたら」

7/13/2024, 2:11:48 PM

くだらないプライド
大きな自尊心
抱えて走るにはあまりに重い

ラジオ体操のあと
サンダルでするかけっこ
ただひたすら夢中で
ゴールだけを求めていた

くだらないプライドも自尊心も
気にならないくらい
夢中でありたい。



「優越感、劣等感」

9/8/2023, 1:27:52 PM

肌が焦がされていく

無数の砂の粒がお日様に照らされて

運ばれていく


空気が揺れる

輪郭が熱を帯びた空気と混ざって

瞬間、せかいが低い音に包まれる

ばちが触れるたび放たれる音と心臓とが共鳴する

ああ生きてるなあ



「胸の鼓動」

9/1/2023, 4:09:04 PM

君からのことば

君の指先で飛ばされたメッセージ

冗談みたいにまっすぐな言葉だったんだろうな

受け取りたくて

何度も試してみるけど

液晶にはメッセージの内容が表示されない

圏外に来てはじめて大切さに気づく

もう遅いよなあ

君はきっと今も

あのときみたいな色彩を帯びた笑顔で

誰かの心に花を咲かせているんだろう

ありがとう大好きだったよ



「開けないLINE」

Next