地元は海が比較的近かった。
夏は人が多すぎてうんざりするが、5月頃はまだ殆ど人がいないので、写真を撮ったり、一人でぼんやりするのが好きだった。
あまり綺麗なイメージは持たれない海だったけれど、よく晴れた日は悪くないなと思っていた。
何をするでも無く海に行く。
今は遠くにある海。
あの海は、私の中では今も綺麗なままだ。
ずっと持っている本がある。手放すか一度は迷うが、結局残す選択をする。
内容は少し変わっていて、何故買ったのか思い出せない。
これが運命の出会いだろうか。
最近部屋の整理をしたが、やはり手放すことは出来なかった。
この先もきっと残るであろうと思っている。
夜の海を見たことがある。
暗くて、墨のように黒かった。
怖いなと思った。
昼の海は太陽の光でキラキラしているけれど、夜の海は何かを伺い見ているように、シンと静かな感じがした。
海もこちらを見ていたのだろうか。
自転車に乗って学校に行っていた。
高校は最寄駅が遠かったので、かなり長い距離を自転車で走っていた。
私は、天気が悪い日などは親に車で送ってもらうことが多かったが、私の近所に住んでいた同級生は、毎日自転車で行っていた。
凄いなと思っていた。
本人たちは「意地だ」と言っていた。凄い。私には無理だった。
登下校時は、一緒にいることも多かった。いろんな話をしていた。誰かの悪口や不満ではなく、テストのことや、お小遣いのこと、最近通り道に出来たコンビニのことなど、他愛の無いことばかりだった。
眩しかった。その空間の一部になれることが嬉しかった。
その後、皆希望の進路を進んだ。頑張った成果だと喜んでいた。
高校の良き思い出を作ってくれたのは、間違い無く彼女たちだった。
田園風景と共に思い出す。笑い合った日々。
心理学、メンタルヘルス、アンガーマネジメント、マインドフルネス…心に関する本は沢山ある。
疲れたら、何か参考にしてみても良いのではないだろうか。
本当に疲れているとき、他人と話すのはしんどいと思うこともあるだろう。
本ならば、気に入らなければ閉じてしまえば良い。信じたいものを信じれば良い。先生は選び放題だ。
本を読むだけでもストレス解消になるらしい。
楽しいことがなくても、にっこり笑ってみるだけでもだいぶ気分が変わる。