中学生のときに吹奏楽部にいた。
その学校は名門というわけではなく、和気藹々、のんびり、やるときはやるという感じの部活だった。

同学年に、サックスを吹いていた子がいた。多分テナーサックスだったと思う。
とても上手に聞こえた。ソロのパートでは、皆聞き惚れていた（先生がアンコールしていた記憶がある）。波の音から始まる曲だった。
今も波の音を聞くと彼女の演奏を思い出す。

私の地元は終点になることがあるので、名前を口にすると「ああ、知ってる」と言われることが多い。
しかし、彼らが実際に降りることはまあ無いだろう。

何も無い駅だ。
…何も無いとは流石に言い過ぎか。
コンビニと多分学習塾のような建物がある。
想像してほしい。めぼしい建物がコンビニと塾の駅を。勿論駅も小さい。駅としての機能のみをしっかりと果たす駅だ。
あなたもきっと言いたくなるだろう。「何も無いよ」と。

しかし、私は地元が好きだ。いつかまたあそこで暮らしたいと思っている。
駅同様、栄えているとはお世辞にも言えない場所だけれど。

いいや、上手くいく方が良い。

私は挑戦するのが好きだ。
確かに上手くいくことばかりではないが、せっかくやるのだから上手くいく方が良いに決まっている。
上手くいくことをイメージして挑んだ方が楽しい。
そうではないだろうか。

上手くいくか上手くいかないかの基準は自分が決めれば良いと思う。成功の基準は必ずしもひとつとは限らない。
そして、直ぐには結果は出ないかもしれない。
長い時間をかけなければわからないこともあるだろう。

もし、躓いたり、迷ったりして他の道を進むことになったとしても、目的地を見続けていれば、また戻って来ることが出来る。そう信じて進んでいる。
楽観的かもしれないが。

花は向日葵が好きだ。
夏を象徴するような、黄色い元気な花。
私にもしものことがあったら、棺には向日葵をできるだけ入れてほしい。向日葵と一緒ならば寂しさも紛れるような気がする。
しかし、こういったことを言うと、縁起でもないと言われる。
こちらは本気なので、何処かに書き残しておこうと思っている。

蝶はアオスジアゲハが好きだ。遠き夏の日を思い出す。羽の青も爽やかに見えて良い。
虫は苦手だが。蝶も例外でなく。

生まれたのだから、死ぬことは決まっている。
出会ったのなら、別れが来る。
寂しい。

私は忘れられたくない。私が忘れていることもあるとは思うけれど。
たまに、何でもない時に思い出してほしい。そういえばあんな人いたなくらいの感じで。
そうしてくれたら嬉しい。