NoName

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10/23/2024, 1:45:36 PM

04

あの日からその子を

目で追ってしまうことが増えた

部署は違うものの席は近い

そのせいか気がつくと眺めていた


ふと昔のことを思い出した

月1回しか会えない人に

恋していたあの日

どこまでも続く青い空

その人に続いていると信じていた

すれ違って傷つけ合うことしか

できなくなって

心の距離が離れていくのが辛かった

またあんな思いをするのか

辛かったことを思い出して

浮かれていた自分に気がついた

10/22/2024, 12:49:55 PM

03

涼しくなってくると衣替えの時期もあり

スーツ姿の人が増えてくる


スーツを着るだけで

格好よく見えてしまうなぁと思っていると

目の前にその子が現れた

つい見惚れてしまって我にかえる

物の場所がわからず

聞いてきたようだった


場所を教えるために

そこまで一緒に移動する

それだけなのに何かドキドキする

「ありがとうございます」

たった一言が嬉しいと思った

10/21/2024, 10:43:42 AM

02

誰にでも明るく対応するその子は

すぐに今の部署でも馴染んだようだ


そんな日々が続いていたある日

いつもは常に誰かと話しているのに

今日は大人しい

元気がないのかと思ったが

見た感じそうでもなさそうだった


いつもと違うことが気になって

すれ違った時に声をかけた

ちょっと困った顔をしてその子は答えた

「声が枯れちゃって…」

「…」

会社帰りにカラオケで

盛り上がりすぎて

声が枯れるまで叫んでいたらしい

社会人になっても

そんなはしゃげることに

ちょっと羨ましい気がした

10/20/2024, 10:56:23 AM

01

始まりはいつも

何でもない日


今日から新しい人がくるらしい

他の部署からの異動

同じフロアでも別な部署だから

話すことはないだろう


朝礼の前に簡単な紹介があった

背が高い爽やかな青年

最初の印象はそれだけだった

10/19/2024, 1:02:27 PM

いろんな人と出会った

すれ違うだけの人もいっぱいいた

すれ違って振り返って

しばらく一緒にいる人もいた


いろんな人と出会って

今の自分がいる

まだまだ発展途上で

のびしろしかないけど

前を向いてようと思う

だって

戻ることはできないから

それなら前を向いて

一歩でも進んでいきたい


次にすれ違う誰かに会いにいくために

もっと自分の好きな自分になる

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