銀色のボールに
2種類の小麦粉と塩を入れて
水を少し
1つにまとまるまで
力いっぱい捏ねていく
袋にいれて
「おーい、出番だ!」
ちびたちが次々に現れる
「20回踏んだら交代だよ」
力を込めて
いっち にぃ さん …
「次は僕の番!」
ちびたちの元気な声が響く
しばらくして
やっと全員が踏み終わった
「茹でる間また遊んどき」
ばたばたと走り去るちびたち
袋から出して
もう1回丸めて薄く延ばす
細く切ったら
ぐつぐつと沸騰したお湯で茹でる
「出来た??」
ちびたちが戻ってきた
「今ちょうど出来たとこ」
ざるにのせて出す
次々となくなっていくうどん
いつもよりコシがあって
美味しかった
「また作りたい!」
そう思える思い出になったなら
よかった
手術が終わって
また戻ってこれたら
ちびたちとまた一緒に
料理をしたい
生きる目標が
またひとつ増えた気がした
「ありがとう」
毎日が楽しかった
きみがいるだけで
目の前の景色がきらきらで
やること全部が新鮮だった
ひとりになって想う
きみは僕のすべてだった
どうして思ってもない言葉で
傷つけないといけなかったんだろう
ただ一緒にいられればよかったのに
過ぎた日を想う
この気持ちが晴れるとき
僕は前に進めるだろうか
きみ以上に大切にしたいと思える
誰かに出逢えるだろうか
今はまだきみを想う
きみが幸せであることを願いたい
寒空の下
きみと見上げた星空
オリオン座を見つけてはしゃぐ私を
きみはどんな風に見ていたんだろう?
冷たくなってく体も
きみといるだけで温かい
ずっとこのままでいたい
そう思っていた
あれから何年か過ぎて
見上げた空にはまだオリオン座が
見えるのにきみは隣にいない
ずっと変わらないものなんてない
そう思っていた
それでももう1度
きみとこの空を見上げたいと思ってしまう
この気持ちがきみに届くように
明日もきみのことを思う
「一緒に踊りませんか?」
差し出される手
そっと重ねると
優しく握って引き寄せてくれる
たくましい身体に
身を寄せるようにして
一緒に踊り出す
目が合う
見つめ合う
この幸せが続いてほしいと願う
そんな夢を見た
じぶんを理解してくれる人と
巡り会えたら
きっと幸せな毎日を送れると
思っていた学生時代
シンデレラみたいに
素敵な王子さまを待っていた
成人になってから
じぶんを理解するのは
じぶんでも難しいのに
それを人に求めることが
どれだけわがままだったのか知った
今でも素敵な王子さまには
巡り会えていない
そう思っているだけで
隣で笑っているあなたが
一番じぶんを知ってて
ずっと一緒にいてくれる
探していた王子さまなのかもしれない