僕には
僕には出来ないことがたくさんあって
もちろん飛行機で遠いどこかへ旅することも
出来ません
でも僕はこの場所から空を見上げて
青空の中のひこうき雲を見ることが出来ます
僕はその瞬間とても幸せで
僕より優れた誰かを羨むこともないし
僕より劣った誰かを蔑むこともありません
その幸せは誰かの基準ではなく
僕自身の基準で
誰かに承認や許可を得たりすることもなく
ただそこにあるものです
幸せはいつもただそこにある瞬間であり空間です
あなたの幸せは何ですか?
そんな話を誰かとたくさんしたくなる日が
僕にはあります
それは確認ではなく共有であり
強制ではなく解放であり自由なのです
好きな人がいます
愛している人がいます
その愛情が
いつも僕を強くしてくれるのです
人が奇跡と呼ぶ裏には
途方もない努力が隠れている
奇跡とは
努力の集合体だ
努力も知らず
羨ましく思ったり、妬ましく思ったりした
運が良かっただけだなんて
陰口を言ったり、蔑んだりした
影の努力を見せなかったあの人を
今僕は心から尊敬している
そう伝えられたら良かったのにな
僕の中を過ぎて行ったあの人に
別れ際にあなたと見た月も
あなたとは違う誰かと繋がっているんだと
ふと感じてしまうことがあるのです
そんな僕を酷い奴だと思いますか?
でもね、長く、長く生きていると
誰にでも心の中に
そんな誰かがいるものです
目の前のあなたとは違う誰かを
想う瞬間もあるのです
そういう僕も
どうしようもなく、僕の一部なのです
泣いてもすぐに笑えるように
転んでもすぐに立ち上がれるように
悲しみや苦しみに留まらないように
悲しみの先の喜びを
苦しみの先の幸せを
僕は君に伝えたい
通り雨が残した虹のように
新月の夜の星のように
君が感じる全てのことに意味があると
僕は君に伝えたい
全ての悲しみや苦しみから
君を守ることは出来ないし
代わってあげることも出来ない
それでも僕は
君にそう伝えたかったんだ