はたおこめ

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1/4/2025, 5:28:24 PM

幸せとは

お金持ちになること
試験に合格すること
仕事で成功すること
コンビニのスイーツを半分こすること
生きていること
四つ葉のクローバーを見つけたこと
誰かに大事に想われること
誰かを大切に想うこと
あなたと明日を迎えられること
星が綺麗なこと

ささやかなことを、誰かと分かち合えること

12/31/2024, 2:14:34 PM

良いお年を

「今年ももう終わりかぁ…早かったなぁ。大変だったなぁ。今年はまさかこんな年の瀬にお前が刺されるなんてなぁ」
なんか言ってる。仮にも友達が刺されたんだからもっと驚けよ、と声には出ないが呑気に思う。
痛いのか熱いのかわからないが、とめどなく血が出ていることは分かる。手が震える。
「今年はさ、お前と色んな国に行けて良かったなぁって思うよ」
行ってねぇよ。生まれてこの方、海外旅行なんて。誰と勘違いしてんだ。
いや、それよりも救護活動をしてくれ命の危機だよ。
「あれ?去年だっけ?まぁいっか。お前が死ぬのはまぁ、慣れた。今年は持ちこたえた方だよ」
なに、え?死ぬのに、慣れる?手が冷たくなって力が入らない。寒い。
「1月1日0時0分を始めに、12月31日23時59分を終点としてお前は毎年ループしてんの。早い時だと正月に死んだ時もあったんだぜ?」
人の死をけらけら笑うこいつは本当に友人かと疑いたくなった。
「お前が死んでも1月1日にはまた生き返ってるんだよ。だからまぁ、今年はさ、残念だけど。ね?来年がんばろ!じゃ、良いお年を!」

12/27/2024, 7:08:07 AM

変わらないものはない

男女の間で友情は成立しない。長らく議論されてきた、いわゆる恋バナの話題。下世話だな、と思った。
お互いの心中はどうであれ、表面上は友情を取り繕っているのであればそれは友情が成立しているだろう。
「でもおれ、おまえのこと好きなんだよ。」
そう言われたときにどうすればいいのか。想像なんてしてなかったから。だって俺もお前も女じゃない。男女の友情は成立しない。じゃあ、男同士の友情は不変?
偏見はないし、そういう人もいるなとは思ってた。でもまさか友人からそう言われるとは、思ってもいなかった。
「茶化すつもりはないから聞いてほしい。その好きっていうのは、恋慕?」
「恋慕、だと思う。おまえが他のやつと親しげにしてるとやだなって思うし、ずっと一緒にいたいと思う。」
難しいなぁ。ずっと、友情だと思ってたから。
「俺は…。ごめん、今すぐに答えを出すことはできない。お前とは友達で、それ以上先に進むことを考えてなんていなかったから。考えもまとまんない。」
「うん、そうだよなぁ。ごめんなぁ。」
帰ろうか。そういったお前の顔を、俺は忘れることはないのだろう

12/19/2024, 6:19:48 PM

寂しさ

たとえば桜の花が舞い散るとき
灼けつく空気と湿っぽい潮風に晒されながら
枯れた枝葉が風に踊るとき
雪が降る凍てつく寒さのなかで
わずかばかりに空いた穴をどうしようかと悩む
ほかの何かで塞ぐのはきっと容易ではある
だがきっと虚しさだけが広がっていくのであろう

11/17/2024, 5:15:56 PM

冬になったら

「今の時期でこんなに寒いのにさ、冬んなったらどうなっちゃうんだよ」
ポケットに手を突っ込んで、亀のように首を窄める。
そんなに寒いかなぁと思いながら隣を歩く私は彼のポケットに手を入れて握る。
冷た!と悲鳴をあげながら睨まれるも、手を振り解くことはしないその優しさに笑いが込み上げた。
「何がそんな面白いんだよ」
「いやぁ?別にぃ?」治らない笑いを強引に押さえつけて答える。
太陽にはうっすらと雲がかかって、風が吹いて。握った手が少しだけ震えた。
「冬んなったらさ、北の方に行こ」
「普通あったかい方に行くんじゃないのかよ」
「スキーしたり鍋食べたりさ、海鮮も美味しそうだなぁ。北の方が寒いときに食べると美味しそうなの多そうじゃん」
なんだそれ、食い意地張ってんな。そう笑いながらポケットの手を握り返してくれた。
「北の方ね。行こっか。んで、うまいもんいっぱい食お」

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