会社の人事部はお父さんを振り回している。
どうやら今年で19年目になるという海外赴任。
寂しがりやのお父さんにくっついて、私たち家族も大変国際色豊かな人生を送ってきました。
「転勤族」を自称できる程の頻度ではないとはいえ、
今までに国は3回変わった。
うちは赴任期間も次の赴任先さえも全く決まっていない
不安定な駐在さんだ。ある日いきなり3ヶ月後に海を渡ることが決定し、現地校に転入することになる。
それまでの人間関係と環境への慣れ諸共リセットされる理不尽も、生まれた時からずっと言い聞かせられてきたことだから特に不満には思わなかったな。
でもそれは何も私たちだけじゃない。海外にいる周りの日本人だって、殆どが駐在さんだった。
・・・とまぁ。そんなこんなで、
日本人学校は転出入が激しいから、人間関係はコロコロ変わった。いちいち手続きが大変ということで、制服も無い程に。日本に帰国する子、現地校に転校する子、
また他の国に引っ越す子。入れ替わり立ち替わりだ。
突然の別れに関してはエキスパートです、私。
定期的に環境が変わることを見越して行動するから、
「距離の詰め方や感覚がバグってる」とも言われるね。
エルフなんかの長命種から見ると、短命種がとっても
生き急いでいるように見えるのとおんなじなのかも。
別れの辛さに麻痺してきた自分がいる。
最初からそういうものだと理解した上での行動と思考。
いつだって別れはさびしいよね。悲しいよね。
でも、その感情を知っているからこそなんでしょうか。
相手の好きなところや、その時の自分が抱いた感情は
素直に口に出す。遊びの提案も積極的にしてしまう。唯一変わらない人間関係である「家族」との絆が深くなる。
世界の広さを知っている。物理的距離が近いことの
ありがたみを痛感している。別れはイコールすべての
終わりじゃない、なんてとっくの昔に悟った。
でもね、覚えてる。もう私と同じ時間を共有していない皆のこと。出会いと別れがどれだけ積み重なっても。
みーんな、私の「大切さん」だからさ。
ごめんね、許してね。私のこの在り方を。
いいなぁ、幼馴染とか。心底羨ましい。
別れを意識しないくらいになるまで、ずっと一緒に
居た他人がいるって、どんな感じなんだろう。
ダメだな。想像できないや。
#23 突然の別れ
だって私、未成年ですから。
よく考えたら、本当の真夜中を知らない。
夜中の23時以降も外に居たことなんてないな。
街は明るくて、影のない闇なんてとうにどこかへ行ってしまいましたね。生まれた時からずっとそうだから、
残念だとも思えない光。
それでも私、夜行性です。
なんだろうね。夜が深くなればなるほど、やりたいことがどんどん浮かんでくるんだ。
嫌だ!まだ今日を終わりたくない、って思ってる内に、いつの間にか明日の自分の前借りが始まっている。
ねむたい。なんて綺麗な日本語も言えないくらい、瞼が重くなって、あくびが止まらなくなる。そういう本能
ぜーんぶ横に押し退けて、本やスマホに齧りついた夜。
それに私、ちゃんと覚えてます。
今までの真夜中に通話した人との、色々な会話。
どれも夜更かしたことを、ちっとも後悔しないような
素敵な体験でした。
24時を過ぎたら暫く「真夜中」は続くね。
世界が夜で均一になって、時間が経過していることに
麻痺してくるんだ。だからかな、真夜中は。
いちばん、みんなの時間が奪われやすいとき。
受験生の私にとっては敵です。
健康のため、深夜とはお別れして朝型にならなければ。
ん、がんばろ。
#22 真夜中
否。
愛のためならある程度のことはできるよ。
でも、愛がなければ何もできないよ。
ただ愛があったところで、一体どうしてそれを必ず
動機にしないといけないのでしょう。
愛は万能じゃありません。絶対じゃありません。
自分の中にあるそれを、どう思ってどれだけ大切にしているか。それだけ知っていればいい。
私の愛を試さないで。
#21 愛があれば何でもできる?
ねぇ。
時間を「失う」ってどういうことだと思う?
代わりになるような言葉を挙げてみようか。
忘れた、無駄にした、手間取った、ただ過ぎ去った。
あぁ、隠喩と捉えてもいいね。
後悔の色、もう届かない夢、思い出せない記憶、
生きるはずだった未来、ミヒャエルエンデの「モモ」。
こうやって改めて考えると、やっぱり時間ってワケが
分からなくて・・・でもだからこそ、自由だ。
だって、だって、考えてもみてください。
時間は「経つ」「割く」「喰う」「使う」「潰す」
「計る」「稼ぐ」「貰う」「費やす」「切れる」
「かかる」「過ごす」「とられる」「追われる」
そういうものなんです。
これだけ多くの言葉遊びが生まれるんだから、時間を
失うことについての解釈が分かれるのも当然だね。
にしても、考えれば考えるほど不思議だ。
「私の時間」はあっても、「時間を自分のものにした」と思ったことはない。あくまで味方につけるだけで、
所有できないんだよね。じゃあつまり時間って、流れが止まらない水みたいなものなんだろうか。というのも、なんだかちょっと納得がいかない。それだと私の体感によって早さが変わることが上手く説明できない。
うぅん、うーん?と唸り始めて数十分。
なんにせよ、これはホントにいいお題だ。
またいつか考えよっと。
#20 失われた時間
大人になったというよりは、子供を諦めた。
うわ、それだ!って、瞬間的に思いました。
今、どうしているんだろうね。あの人は。
どこかの動画のコメント欄に、ポツンとこの言葉だけを
置いていった、誰なのかも分からない、あの人。
ねぇみなさんご存知でした?小さな絶望の積み重ねが、人を大人にするらしいですよ。・・・分からないなぁ。
私はまだ自分は「大人」じゃないと思ってるから。
子供でいたいって感情はあります。でもそれこそ、拘りを持つのは終わりの合図だね。私だって数年後には、子供を諦めているかもしれない。
本当の子供は子供に執着しないし、大人に憧れる。
自分の中の「子供」にしがみついた後に、それを諦めて私たちは大人になるのかな。んー、よく分かんないや。
来年で成人か、と思うと恐ろしいですよ。本当に。
周りが、責任が、知識が「早く大人になりなよ」って
私を急かしてくる。私の中身はちっとも変わってない
のに、中学に入学した途端に「もう中学生なんだから」って言われてる気分です。
私の内面が世界の認識に追いつくのは、いつだろうね?
それはそれとして、子供は「諦める」ものらしいから。
まずはしがみついてみないと。
#19 子供のままで