もう本当に恥ずかしいからいったんやめません?
好きになったら一直線。自分の想いを隠すなんて思考を挟むまでもなく。分かりやすく態度と行動に出て周りに筒抜け。タイプとかも全部飛んでいって好きな人が自分の好みになる・・・っていうくらい、意識のすべてをその人に
奪われちゃうんです。
盲目にはならないけど、夢中になっちゃうタイプだよ。冷静だと思ってた自分がぜーんぶ掻き回されるんだ。
えぇ、好きになったら驚くほどちょろいのが私です!
簡単に喜びます!気づいたらぼおっと見惚れてます!
自己紹介どうも!何か文句でもありますか!?
はい、深呼吸。
私が今まで好きになった人たち、みんな素敵でした。
おかげでどれだけ私が振り回されたか。ただ、いい意味でも悪い意味でも自分の感情に素直な私ですから、絶対に良好な関係性は築く。それがまた楽しい。
実際、何もできずに終わった恋は今までないよ。
初恋を除いて。
症状はあった。
ただ、これが「恋」だって認めるのが恥ずかしくて意地を張っているうちに、彼が引っ越してしまったから。
いなくなって苦しくなって、その時にはじめて「あぁ好きだったんだな」って気づいただけ。
今も好きだよ。嫌いになる理由がないんだもの。
気に入ったものは長いこと好きでいるタイプですから。
ずっとずっと綺麗なままで取っておくから、どうか、もう見直すことのない私の好きな映画でいてね。
今、私が好きな人は最新話を追っているドラマ。
もう私には、君に対しての欲はないんだけど、ただ、
過去の君がずっと好きなだけ。それだけ。
はい。ここで、この文章の一番最初に戻りましょう。
#17 初恋の日
どっち?
この世界、地球全部が終わるのかな。
それともただ単に、私がいなくなるだけなのかな。
いきなり全部が終わるのは悲しいから、後者にして
おこっか。だって、「私」という自己が観測しているものを「世界」と勝手に呼んでいるわけですし。
中学3年生のとき。確かあれは春かな?
あたたかい陽気に包まれた昼休みだった。
特別仲がいい!ってわけではないけど、なんとなくその場にいた女子数人で、集まって話してたんだ。
いいクラスだった。グループはあるにはあるけど、
ガッチリ固まる感じじゃなくて。すっと周りの人と
話せる、色んな関係性をみーんなが持ってる雰囲気が、
私は大好きだった。
バスケではしゃぐ男子を窓越しに眺めながら、まったり
緩く話す、それだけ。それだけの貴重な時間。
そうだそうだ、担任の先生も一緒だったね。
14歳と15歳のみんなで集まって話したよ。
しにたいね、って。
「ネガティブな意味じゃなくて、なんだろ?フツーに、幸せなままで終わりたいんだよね」
「わかるわかる、今んとこ人生上手くいってるから、
この先の悲しいことでマイナスになるのがイヤ」
「そうだよねー!もう受験とか信じらんないし、もしも失敗したらって思うと怖い」
「絶ッ対にこの先、幸せなこともあるって分かってるんだけどさ、それ以上に今が最高すぎて」
「そうそう!だって、絶対この先にある苦労ってめっちゃ多いじゃん?」
共感の嵐に包まれながら、先生だけが動揺してたなぁ。
「え!?みんなそれ大丈夫?」って。
でもね、センセ。別に私たち、本気で自殺しようとかは思ってないんですよ。ただ、何よりも純粋に、穏やかな気持ちで。私たち、本気で「しにたい」って思ってた。
成長してしまえば、惜しむもの、抱えるもの、責任とか色々くっついてきて、純度100%の幸せも感じにくくなっていく。みんなどこかでそれが分かってたから、あの時ああ思ったんです。私たち、本当に幸せでしたから。
このまま世界が終わっちゃえばいいのに、って。
今はもう、そんなこと言えない。
#16 明日世界が終わるなら
へぇえ、耳って「澄ます」ものだったのか。
はじめて知った!
じゃあ、私たちが日々聞いているものって、生活音って
濁っているんでしょうか。確かに、雑音と呼ばれるのは遠くの音が混ざり合ったノイズのこと。
地上はうるさいね。すべてを拾っていたら、きっと頭がきーんと痛くなってしまう。自分にとって必要ない情報が多すぎる社会です。みんながみんな真面目だったら、
「聞く」の他に「聴く」なんて漢字は生まれないね。
耳を澄ますのは疲れるよ。人の話を聴くのも疲れるよ。
最初から聴きたいものを決めて、イヤフォンから直接
流し込んでしまうのが結局いちばん楽だ。
コンサートとかライブみたいに、
「さぁみんなこれをきいて!」って用意された音に身を預けるのはだから幸せなんだろうな。
結論。
意識的に耳を澄まさずとも、強制的に飛び込んでくる
音が、私の心を揺さぶるものであればいいな。
・・・ん?
だとすれば、そっか、じゃああれもおんなじか。
好きな人の声。
#15 耳を澄ますと
なんてステキ!
二人だけの秘密って言うけれども、「君」と秘密を共有
しているのは僕だけだから、これはもう僕だけのもの。
僕だけのトクベツなんだよ。
って、きっと共犯者はみんな思ってる。
あぁ、後ろ暗い秘密じゃなければのお話だけど。
#14 二人だけの秘密
綿あめだ!
もしかしなくても、綿あめの話をしてますね?
上質なかき氷でも、プリンでも、水まんじゅうでも、
ゆるいラムネでも、脂ののったお肉でもいいよ。
口の中に広がってふわっと消える刹那的な美味しさは、
いつだって、私が追いかけたくなる感覚だ。
簡単に形容できないそれをなんとか表現しようと、
口の中を探って、刹那の体験を思い出すのが楽しい。
セツナトリップって曲が好きだけど、今思えばとても
いい題名だ。自分の全部がどこかに持っていかれるのは
一瞬の衝撃で充分だって、みんないつ知るんだろうね?
あぁ、また何か口の中で溶けるものが食べたいな。
#13 刹那