心のメトロノームが欲しいな。
包容力がある人、常に余裕がある人、飄々とした人、
楽観的な人、マイペースな人。
そういう人たちが好きです。
私は自己嫌悪と自虐癖がひどくて、過度に自分を責めてしまう。傷つきやすくて脆いから、常に誰かから悪意を
向けられることを恐れている。
他人に傷つけられる前に、自分で自分を嫌いになって
しまえばいいのだと気づいてからは、「私」にはとても
嫌われた。それが私なりの自己防衛だった。
間違えることが怖いです。
自分を責める理由ができることがどうしても嫌です。
だって私は、弱虫だから。
私自身が自分を嫌いだと言う事実にすら耐えられない。
だから、
一緒にいると、こっちまで気が抜けて笑ってしまう、
そんな素敵なテンポを持っている人が好きです。
間違えたけど、しょうがないよね。そんな時もあるよねって言えたら、きっともっと生きやすい。
心のメトロノームが欲しいな。
あなたのテンポで、リズムで生きられたらいいな。
私がいちばん息をしやすいペースで歩くあなたへ。
私の心のメトロノームになってください。
#9 たとえ間違いだったとしても
真珠のことを「月の雫」と表現した人に、
この世の全ての命名をお願いしてしまえばいいと思う。
得体の知れない綺麗な球体が、遥か遠くの月から海に
まで落ちてきた、雫なんだと。
そう思える世界は、どんなに綺麗だろう。
それはきっと、音もなく静かに沈んでいくんだろうな。
真珠が月から海に落ちるときの光は、きっと流れ星より
も繊細に違いない。なんて、そんな風に考えている時が
私のいちばん綺麗な孤独。
#8 雫
「食べる」という行為がただひたすらに、気持ち悪い
時期があった。食欲はあるけれど、途中で嫌悪感が込み
上げてきてはトイレに駆け込む日々だった。
高校に入るために日本に引っ越してきて、家族と離れて
祖父母の家に居候して、居心地の悪い食卓で、それで
・・・・・・限界だったんだと思う。
泣き疲れて眠った。ゼリーでさえも全部飲みきれなくて
捨てた。食べ物と時間と送り出してくれた家族全てに
申し訳なくて、ついには食事を諦めた。
断食はピークを過ぎると別に苦痛でも何でもなかった。
どんどん痩せていって、栄養が足りなくなったのか、
帰ってすぐに倒れこむように眠る日が続いた。
本当にどうしようもない時には、生存本能という身体の
基礎機能が助けてくれるんだと知った。
そのうち、吐くことがストレス発散になっている自分に気がついた。絶望感と嫌悪感がこびりついた。
0からの場所で、誰を頼ればいいのか分からなかった。
とにかく全てに疲れていた。
もう何もいらない、放っておいて欲しいと思っていた頃。
私のSOSに反応してくれて、余裕がなくて自暴自棄な私を
しつこく心配してくれた人たちがいました。
本当に嬉しくて、感謝しても仕切れなくて。乗り越えて
落ち着いた今、わかる。「何もいらない」なんて思って
いた私は嘘だったよ。本当は構って欲しかった。
私の拒絶も全部無視して、強引に引っ張り出してくれる人になら甘えてもいいと、ホンモノの優しさだと思えた。
めんどくさかった自分。でも、何もいらないなんて、
本気で思うことはないよ。幸せの絶頂にある時以外は。
だから、
あの時の私の言葉を信じないでくれてありがとう。
#7 何もいらない
いや、ネタバレは罪でしょう。
未来を知った時点で、未来は未来じゃなくなるよ。
私たちはこれから起こる「だろう」なんてことにさえ
過敏なんだからさ。もっと大切に扱って欲しいな。
私は好奇心旺盛だから、知る楽しみが無くなっちゃう
のはとっても困るわけで。想像の余地を残してくれないと満足にもはしゃげないのです。勘弁して下さい。
たとえそれが数千年先の地球で、自分と全く関係がないとしても、絶対に見ない。嫌だ。知りたくないもの。
そもそも「もしも」なんかじゃなくて、普通に未来は
見れるよ。死んだあとは八百万の神様になるか、輪廻の輪に入るか選べるから。私はそこで神様になって、友達
の神様と一緒に、私と縁があった人とか面白い人を100年
くらい追っかけて、その後に洗濯されて転生するよ。
というのは、本気で思ってない。
もしそうならいいなって思うから、そういうことにして
いるだけ。その方が私の精神衛生上、都合がいいだけ。
ほらね?こんないい加減な妄想だって、未来を知ったら
楽しめなくなってしまうんだ。
少なくとも私は、のおはなし。
#6 もしも未来が見れるなら
桜は引き際をわきまえてるから好き。
はらはら散って、飽きられる前に色を仕舞っていく。
桜吹雪だなんて、終わり方まで優美でステキじゃない?
そして何よりも、絶対に来年も咲いてくれるっていう根拠ナシの謎の信頼があるよね。だから寂しくならないし、
私はあんまり悲しいとは思わないかな。
「春が終わるのかぁ」って少し惜しんで・・・でもそれも、
地面の明るい彩りや舞い散る春色ですぐに忘れる。
つまりそんなわけで、桜が散る頃に私が考えているのは
これからくる夏のこと。
ばいばい、スプリング。
#5 桜散る