目が覚めるまでに。
目が覚めるまでは、夢を見ていられる。
君といる、幸せな夢の世界に行くことができる。君との思い出を、存在するはずのない将来を紡ぐ。
こんな夢を見たところでどうしようもないのに、どうしようもなく夢の中に逃げたい時がある。
でも、いつかは目が覚める。目が覚めたとき、喪失感のようなものに襲われる。
君はもう僕の夢の中にしかいない。それに、夢の中にいる君は本当の君なのだろうか。そんなこと考えても意味はないと思いつつ、夢の中にどっぷりと浸かる。
目が覚めるまでは、今夜もこの世界で夢をみる。
病室。
病室で過ごす時間は気が病む。自分自身は入院したことないが、人のお見舞いで何度か行ったことがある程度だ。
病室は独特の雰囲気がある。暗く、じめっとした雰囲気がしている。そんな雰囲気になるのもしょうがないのだろうが、なかなか居心地がいいものではない。
家族・友達の弱った姿を見るのもなんだか辛い。弱った姿はなかなか簡単に受け入れることができないからだ。
人は老いるし、いつか死ぬ。それは何十年も先かもしれないし、少し先かもしれない。それを分かっているつもりではあるが、いざその場面に直面すると、かなりキツイものがある。
キツイが、それには向き合わなければならない。そこで向き合うことから逃げるというのは、病室にいる当の本人からしたらもっとキツイだろう。
そう思うと、簡単に向き合うことをやめたりはできない。自分も辛いような気がしていたが、当の本人が1番キツイ。そこの気持ちには寄り添ってあげたい。
明日、もし晴れたら。
明日、もし晴れたら旅に出ようと思う。お気に入りの服、お気に入りの靴に身を包み、前から行ってみたかったあの場所へ行く。
旅行に行くのなんていつぶりだろうか。思い出そうとしても出てこないくらい前のことだ。
旅行はいい、今まで触れたことのないものに触れることで、自分の価値観などを見つめ直す機会になる。
新たな出会いもあったりするし、思わぬ発見もある。旅だからと、いろいろなことに挑戦できるし、旅はいいこと三昧だ。
また、旅行は1人で行くからこそいいものだと思う。複数人で行くのも楽しいが、自分の心ゆくままに1人で過ごす時間こそが大切だったりする。
だから、1人でいたい。
誰かと共に過ごし時間は好きだが、それ以上に1人の時間が好きだ。
誰かと過ごすのも良いが、1人の時間とは違い、自分の思うように行動できない。それが嫌なわけではないが、自分の心を押さえつけ、集団がうまく行くように行動しなければいけない。そう思うと、誰かといるのは異様に疲れてしまう。
1人でいる時間は、自分としっかり向き合うことができる。自分の行動や言動、思考と向き合うことで、自分自身をより理解できるし、成長につながる。そんな時間は非常に大切だし、この時間はとても貴重だ。
有限な時間の中で、成長だけしていても良くないし、誰かと思い出を作り続けるだけでも良くない。どちらも良いバランスを保つことが大切だと思う。
夢を語る人は、澄んだ瞳をしている。みんな未来にワクワクしている。
夢のない人は、どこか諦めたような目をしている。
澄んだ瞳をしている人は、とても魅力的に映る。
そして、その人から見る世界はどんなものだろうか。興味が湧いてくる。
その人から見る世界はどれだけ美しいのだろうか。