距離を置けば、この怒りは収まるのだろうか。
何回深呼吸しても、動悸している。
話せば分かる? 本当に?
さあ、どうしようか。
〜距離〜
波打つススキを「銀色」と、最初に言ったのは誰なのかな。
私には煙るような紫に見える。
初めに言ったその人には、ふわふわと開いた穂に煌めきが見えたのだろうか。
「きれいだなぁ」と、貴方が言った。
そうね、きれい。
銀でも紫でも構わない。
貴方と見ている。それだけでいい。
しと
しと しと
しと しと
しと しと
しと しと
しと しと
しと
しと
しと
春の朝
柔らかい雨
窓から見える灰色の空は
思いの外、仄明るく
しと しと
しと しと
しと しと
しと しと
しと しと
しと
僕は目を瞑り
耳に届かない雨の音を聴く
君いない朝は、こんなにも静かなのか。
2歳の娘と暮らしていると、毎日が新鮮で、毎日が懐かしい。
ジャックオランタンがついた紙の杖で「ちちんプイプイ」。
ママが小さな頃はハロウィンなんて知らなかったけど、
魔法の杖はたくさん作ったよ。
魔法少女ペルシャのバトンは本当に何本も作ったな。
貴方もいつかは魔法の杖を手放すのかと思うと、ちょっと寂しいけれど。
ちちんプイプイ!
ペルッ子ラブリー!
生涯幸せな貴方であれ。
「行かないで」って、
誰も幸せにならないワードだなぁ。
聞くだけで、文字を見るだけで辛いのは
口にした数々の「行かないで」を思い出すから。
お母さんも
恋人も
恋人にはなれなかった人も
行くのをやめてはくれなかったし
ただただ、辛い気持ちや面倒臭い感情が増えただけ。
いってらっしゃいと、言える今は幸せだね。