美しい女性が容姿を褒められるとき
若さを褒めそやされるとき
そのひとは少しだけ思っている
いつまでも続くものではないと
醜いと、誰かがその女性を嘲笑うとき
美しい女性は同じように笑わない
いつかそうなる可能性は誰にだってある
偶然なのだ
たまたまの幸運
努力あっても 最後まではかなわない
老いない生きものなどいないし
老いないものは死んだものだから
生きものであることを
美しいと言う人を
尊いと思う
寂しいな
と言う 言葉が
殺風景な部屋の
寒い空間に吸い込まれていく
いつのまにか扉があらわれて
おそるおそるドアノブをひねると
その向こうには金色の野原が広がっていた
一歩足を踏み入れる
もう元の世界には帰れないような気がした
すくむ
いいのかな でも 寂しいのなら
あちらはもしかしたら 暖かく
寂しくないのなら
えいや、と地面を蹴った
ああ さよなら 寂しく懐かしい世界よ
にぎやかな冒険がはじまるよ
わたしは
優しい人に会うと
宝石に会ったような気持ちになる
キラキラしていて
癒される
安易に否定してこない思慮深さ
どうしようもないことに悩むとき
その優しい人は
あなたにも事情があったよね、と
けして善悪の単純な判断を下さない
悩んでいることにたいして
くるしいよね、とそっと毛布を差し入れてくれるような
そんなやわらかさがある
優しい人は 宝もの
優しい人は 微笑んでくれるだけで
抜群のパワーがある
無理せずに頑張ってね、
優しく送り出してくれる言葉を抱きしめて
今日もなんとか仕事ができる
わたしは優しい人が好き
むかしのあだ名
それで呼ばれたら、小学生の頃の
無敵の女の子がニヤリと笑う
誰に媚びる必要もなく
生意気に好き勝手言って
責任なんて概念もなく
野の鳥のように自由だった
ひとを騙すようなことはしない
ただ毎日楽しい遊びを開発してた
大人たちも面白がってくれるから
なんにも怖くなかった
あの名前でしか得られない栄養素がある
「ねえ、◎◎ー!」
信頼されてる感じ 信用しているわたし
大人の世界の必需品は何も持ってなかったのに
しあわせそのものだった
遊ぼう、遊ぼう
わたしたちは宇宙の赤ちゃん
青春の余生を過ごしているだけのわたしが乗るべき列車が来ない