♯8
裏返し
知ってましたか。
表情はすぐに作れると。
今じゃあ、笑顔になるのにも大変だと言うのに、
周りに合わせて笑わないと、
ノリ悪いとか、思われて、嫌われたら終わりだ。
だから、笑顔というのは作るもの。
にこ、と笑顔を作って、周りに合わせて、
関係での気持ちは補う事が出来ても、
自分の気持ちは補うことが出来ない。
そんな事を繰り返すうちに、本当の笑顔ですら分からなくなるものだ。
そういう人間なのだから、人間はそういうものなのだから。
仕方がない。そう、仕方がないんだ。
みんなに見せる表上の心は
優しく綺麗に映っていても、
みんなには分からない
裏側は どす黒く、助けてもどうにもならないほどになっているかもしれない。
簡単に相手の心を裏返す事なんて、
人間なんだから出来やしない。
人間なんだから。
#7
太陽
今日も輝く太陽。
地球の周りを回って、私達を照らす。
眩しくて、自分にとっては嫌いなもので、
雲で隠されちゃえばいいのにと思っちゃう。
努力している人を、何かで
隠して、 何も無かったんだって するかのように。
太陽も好きで光ってるわけじゃない。
努力して光ってる。
私達も頑張ってる。
少し、 ほんの少しでいいから、
隠さないで、 見守る事も 大事なんじゃないかな 。
#6
病室
ああ。薬の飲み過ぎかな。それとも唯の体調不良かな。熱中症かな。
頭がまだキン、と痛く続く
痛い空気の中、自分は病室のベットで
寝ていた。
窓から見える、晴れそうで晴れない、
自分の心でも表すかのような天気だった。
嫌、これよりもっと…。
矢張りなんでも無い。
病室だなんて、初めてだなぁ。と
自分の腕を見る。
気持ちの抑え込みの為の、助けの行動。
その行動が腕に痛く刻まれていた。
白く綺麗な病室を見てると、
自分の薬とペットボトルと服と………。
散らばったあの光景と比較すると、まあ、こりゃあ綺麗だ。
点滴だって初めてだなあ。
そう思いながら、ふと、頭に蘇るあの人。
そういえば、今何してるんだろうなぁ。
会いたいなぁ。お見舞いとか来てくれないかなぁ。
なんて変な期待をしてしまう自分がいた。
はあ、早くここから出て、
美味しいラムネを呑んで、あの人に会いに行って ______ 。
自分は一瞬の頭の激痛と共に
フラッシュバックするように自分はそのまま
痛い空気と天気に沈むように
眠りに落ちた。
#5
明日、もし晴れたら。
明日、もし晴れても何も思わない。
ただ部屋で好きなことをするだけ。
晴れても外には出たくない。
だからと言ってずっと家に居る訳でもない。
気分転換にカフェに行ったり買い物に行ったり。
たまにはそんな事をする。
晴れていると、鳥も虫も、人間も
いきいきとしている。
いきいきとするそんな色々な存在達に
私は羨ましく思いながら、
今日も一人で遊ぶんだ。
#4
だから一人でいたい
自分は1人が好きだ。
でも、たまに誰かと居たい時もある。
でも誰かと関わるのは苦手だった。
誰かと関わっていたら、自分自信が嫌われそうで、
自分を隠しながら話したり遊んだりするのが
大変で。
親友も、親でも、いつでも素の自分が出せずに
過ごしている。
それがいつもきつくて、でも1人なら隠さなくたって
誰にも見られやしないし、誰も気にしちゃいない。
そんな1人という孤独な時間が大好きだ。
我慢するのって、大変。
だから、1人でいたいんだ。