FICTION

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1/5/2025, 12:55:45 AM

【幸せとは】

美味しくご飯を食べられること
行きたい場所に行けること
空を青く感じられること
自分を大切にできること
守りたいものを守れること

あなたが笑えること

1/2/2025, 2:57:44 PM

【今年の抱負】

「宿題終わったの?」
つい口をつく言葉だ。
「分かってるよ!」
新学期の短縮日課で帰りが早いのをいいことにYouTube三昧。
息子はタブレットを片手に答える。
いつの時代も変わらない。
私の時はそれがテレビだっただけのこと。
深呼吸して気持ちを切替える。
「何見てるのー?」
私がタブレットの動画に興味を持ったのが意外だったようで、一瞬目をぱちくりさせたあと、「HIKAKIN」と言って動画を閉じた。
「今日の宿題は、今年の抱負を考えることだって。簡単。」
「なるほどねー。ママも今年の抱負考えてみようかな。」
「それも簡単!」
「え?」
「ママは、子どもに口うるさくしないこと!だよ!」
「じゃああなたは、ママに言われる前に宿題をすること、だね!」
「それはムズい!」

シングルになって初めてのお正月。
息子と2人笑いあった。

1/1/2025, 2:19:57 PM

【新年】

世間でガンタンというのは祝日で、みんな休みらしい。
俺にとっては関係ないが。
0時を30分ほど回り、寝不足でボーっとしていた頭を切りかえて品出しに移ろうとした途端、自動ドアが開く。
「…らっしゃいませ」
俺の口と自動ドアが常に連携してればいいのに。
かったるい表情のまま客と目が合う。
「あれ?」
「あ…」
最悪な別れ方をした元カノだった。
しかも男と一緒だ。
目が覚めた。
何故か?手を繋いでいた相手が男が俺の友人だったからだ。
正確に言うと、数秒前まで友人だった奴。
俺を認識すると気まずそうな顔をしてひとり踵を返した。
元カノは何故か口元に笑みを浮かべている。
何がおかしいのか。
「元気?」
「まぁ」
「ねぇ。ここで会ったのも何かの縁だし、今度ご飯食べに行こうよ!」
女の脳内って狂ってんのか。
顔にも態度にもイライラが出る。
「仕事中なんで」
「相変わらずだね、そーいうとこ。」
つまらなそうに捨て台詞を吐き、何も買わずに店を出ていった。

最高の新年の幕開けだ。

12/31/2024, 1:38:24 PM

慌ただしい年末。
年始の準備。
買い忘れを見つける。
溜息をつき、夕暮れ激混みのスーパーに向かう。
レジも長蛇の列だ。
唇がカサつく。
リップを塗っても間に合わない乾燥。
早く家に帰らねばという焦燥。
バッグのポケットに戻したはずのリップがこぼれ落ちる。
「あっ、」
声を出している間に、前を並ぶ人に先に拾われ渡された。
「すみません。ありがとうございます。」
「あ。いえ。」
突然流れる時間が変わる。
「良いお年を。」
その人は先に会計を済ませ、にっこり笑って去っていった。

ふと、慌ただしさにのまれていた自分を恥じた。