【あの日の温もり】
始まりがあるから終わりがある。
始まりがなければ終わりもない。
誰も傷つかない。
幸せとは無だ。
だけれど、それは寂しい幸せだ。
楽しい幸せを知っているから。
あの日の温もりを覚えているから。
私は傷つくのを知っていて、また、始める。
【魔法】
昔話ね。
少し気になる男子とカラオケ行って
いとしのエリー歌ってたら
「元カノの名前エリって言うんだ」
って言われたの。
複雑な気持ちだったけど未練ありそうな気がしたから、熱唱してから
「そんなに好きならやり直したら?」
って、少し膨れて言った。
なんだよって気持ちも少しあってさ。
そしたら、彼、エリちゃんと復縁して結婚したんだけど🤣
いや、幸せならいいけどさw
いつもそんな感じだなw
まぁいっか☺️
【幸せとは】
美味しくご飯を食べられること
行きたい場所に行けること
空を青く感じられること
自分を大切にできること
守りたいものを守れること
あなたが笑えること
【今年の抱負】
「宿題終わったの?」
つい口をつく言葉だ。
「分かってるよ!」
新学期の短縮日課で帰りが早いのをいいことにYouTube三昧。
息子はタブレットを片手に答える。
いつの時代も変わらない。
私の時はそれがテレビだっただけのこと。
深呼吸して気持ちを切替える。
「何見てるのー?」
私がタブレットの動画に興味を持ったのが意外だったようで、一瞬目をぱちくりさせたあと、「HIKAKIN」と言って動画を閉じた。
「今日の宿題は、今年の抱負を考えることだって。簡単。」
「なるほどねー。ママも今年の抱負考えてみようかな。」
「それも簡単!」
「え?」
「ママは、子どもに口うるさくしないこと!だよ!」
「じゃああなたは、ママに言われる前に宿題をすること、だね!」
「それはムズい!」
シングルになって初めてのお正月。
息子と2人笑いあった。
【新年】
世間でガンタンというのは祝日で、みんな休みらしい。
俺にとっては関係ないが。
0時を30分ほど回り、寝不足でボーっとしていた頭を切りかえて品出しに移ろうとした途端、自動ドアが開く。
「…らっしゃいませ」
俺の口と自動ドアが常に連携してればいいのに。
かったるい表情のまま客と目が合う。
「あれ?」
「あ…」
最悪な別れ方をした元カノだった。
しかも男と一緒だ。
目が覚めた。
何故か?手を繋いでいた相手が男が俺の友人だったからだ。
正確に言うと、数秒前まで友人だった奴。
俺を認識すると気まずそうな顔をしてひとり踵を返した。
元カノは何故か口元に笑みを浮かべている。
何がおかしいのか。
「元気?」
「まぁ」
「ねぇ。ここで会ったのも何かの縁だし、今度ご飯食べに行こうよ!」
女の脳内って狂ってんのか。
顔にも態度にもイライラが出る。
「仕事中なんで」
「相変わらずだね、そーいうとこ。」
つまらなそうに捨て台詞を吐き、何も買わずに店を出ていった。
最高の新年の幕開けだ。