ペガサスを見た
悠々と夜空を駆けるペガサスを
星屑を尻尾に絡みつけた
美しいペガサスを
宇宙に数多とある星の
そのほんの一部にこの地球がある
私も宇宙の一部であることに
喜びを感じた
ペガサスは嘆いていた
この宇宙が消えてなくなることを
この美しい世界が消えてしまうことを
悲嘆し続けていた
彗星がペガサスを追っていた
同じく尻尾に
星屑を絡みつけた彗星を
そしてペガサスはオリオン座の方へ
向きを大きく変えた
たった一つの生き物が
巨人を狩りに行くように
オリオンへ立ち向かっていった
いい流星群だった
本当に云百億年の間に
この宇宙は消えてしまうのだろうか
遠い未来の話なのに
何処だか心が苦しい
ペガサスは夜空を駆ける
一直線に、時に星座のある方へ
宇宙を知らない我々に
宇宙を見せるために
私を睨みつける
じっと見つめる
私に触れようとする
そして私の血を飲もうとする
私の腕を欲している
私の足を欲している
首を、髪を、胸を、腹とへそを、背と尻を
私の臓器を欲している
そして私の存在をなくそうとしている
あなたは誰…?
私はあなたを知らない
あったこともない
だがあなたは私を知っているの…?
何処で私を見つけたの…?
検討もつかない
あなたは誰?
なぜ私に触れようとするのか
なぜ私を欲しているのか
怖くて怖くてたまらないの
いつあったのか
海外旅行の道中?
行き帰りの飛行機?空港ですれ違うとき?
はたまた国内旅行?
一瞬でもすれ違った人の顔なんか
覚えられるわけないのに
私怖いわ
あなたが
あなたは
誰なの?
私は あ なたを
知 らな
い
私が伝書鳩に託した
一通の手紙
宛名は敢えて書かなかった
誰の元へ届いても
良いように
行方知らずの手紙
その中身は教えてはならない
私が語る秘密の言葉が
そこに書かれているから
受け取るものは
それを外に出してはいけない
気まぐれな
手紙の行方
普通に過ごすと忘れてしまう言葉
身近なようでそうでもない言葉
伝えたいけど伝えられない
話そうとしても素直に言えない
そんな言葉がここにある
誰でも知ってる言葉がある
うまく言えないけれど
言えたら皆が笑顔になれる
そんな言葉がここにある
優しい言葉がここにある
それは当たり前なんかじゃない
言えば返ってくるし
言われれば返さなくてはならない
キャッチボールににた言葉
そして今君に伝えたい言葉でもある
そんな言葉がここにある
素敵な言葉がここにある
人は素直になれぬから
直接聞くことは少ないけれど
間違いなく優しい言葉だ
言えれば皆が笑顔になれる
嬉しくって浮き浮きしてしまう
そんな言葉がここにある
君に伝えたい
ありがとう
そんな言葉がここにある
大袈裟に
赤裸々に
ものを伝える
それは少し
照れくさい
だからこそ
そっと伝える
あなたに伝える
耳元で
囁くように
伝えたい
その中身は
限られていないが
細やかに
さり気なく
様々なことを
あなたに伝える
そっと伝えることは
悪いものじゃない