風に飛ばされた白い帽子を
咄嗟にとって被る
その姿は心なしか
美しかった
今日は散歩に出かけよう
きっとあの公園には
綺麗な鳳仙花が咲いているだろうから
物語の終結というのは必ず来る
世間では物語はそういうものとして認識されているので
物語に終わりがないというのは
実に考え難いことだ
だが詩人は
とある物に纏わる物語には終わりがないという
それは永遠に続くもの
単純であり複雑である
二人いや三人それ以上の人々を
覆い尽くしてしまうもの
そう
愛だ
ありきたりな表現である
私もこのアプリで何度か愛についての文章を記したが
それは案外的外れなんかではない気がする
命が消えても
愛は消えない
片方がいなくなっても
もう片方が求め続ける
愛という名の
一本の糸
二つを繋ぐその糸によって
人間は絡み合っている
それが永遠に連鎖して
複雑化している
まさしく
単純にして複雑怪奇
そしてそれは
終わることのない連鎖
終わらない愛の物語が
人々を繋ぎ展開されていく
あなたがいいよと嘘をつくから
その分あなたは傷つくの
誰かの代わりになるというなら
それを庇って傷つくの
優しい嘘と引き換えに
心に刃物が突き刺さる
なんと虚しいことだろう
其処に喜びは感じない
心というのは脆すぎるので
少しの刺激で粉々に
あなたはわたしがそうならぬよう
私を庇って粉々に
本当の優しさとは何か
誰も傷つかぬ世界のために
一体どうしろというのか
言葉と倫理が混合し
私の頭が破裂する
優しい嘘はあなたを殺す
優しい嘘でわたしは生き延びる
優しい嘘で首を絞めて
優しい嘘でわたしも死ぬ
あなたがいいよと嘘を付くから
わたしもいいよと嘘を付く
数多の"あなた"を見ていくよりも
たったひとつの"わたし"を守る
たまにはそれが必要だ
荒波に揉まれ生きづらい
人生を生き抜くためには
目的地はもう目の前に来ているのにも関わらず、僕は羅針盤を見続けていた。行き先が見えていてもなお、羅針盤を見続けていたのだ。何故なのかは分からない。見たいから見たわけではないが、何故か目を離すことができなかった。この羅針盤に呪か何かがかかっているのか。そんなこと知るわけがない。ファンタジーじゃあるまいし、たかが羅針盤一つでそんなくだらないトリックを仕掛ける呪術師があろうものか。所詮方位を知るためのちっこい道具でしかないのだから。深く考えすぎなのかもしれない。…だが、これが羅針盤そのものである、という保証は、一切ない。羅針盤に似た監視カメラで、何処其処らのUnknownとやらが僕らのことを見続けているかもしれない。だとしてそのUnknownの目的は何なのか。見当は一切つかない。はたまた、これが時限爆弾で、僕らをそのまま爆破して散り散りにしてやろう、なんて考える輩がいるのかもしれない。いずれにせよ、これらは例にもよってUnknownによって執り行われ、僕らに何らかの攻撃を行おうとしているのかもしれない。目が離せないのは、これが理由なのか?Unknownによる大規模犯罪を予感する僕の脳、そして相変わらず大人しく行先を示し続けている羅針盤。もし本当に爆発したら……?それにより何がある。Unknownの目的は依然として深まるばかり。気づけば其処は港だ。すると羅針盤が突然として光り輝き、消えてなくなった。あまりの急展開に僕は開いた口が塞がらなかったのだが、どうやら羅針盤に目を向ける理由はこれらしかっな。こいつが放ったスーパーパワーなるものが、僕を惹きつけていた。羅針盤が消えたので、帰る術が全くないものとなってしまったが、僕が作り出したUnknownとやらが、実在したのか…?自爆テロとかではなかったが、そうまでして僕を別世界に引き下ろしたいのか、という執念深さがあった。
ただ独りで生きようとしている
あなたに授けたい
独りで生きるということは
決してできないと
そんな言葉を授けたい
なぜ人に頼れないのかは
あなたのこれまでを見れば
なんとなくわかる気がするが
だがそれでも人は独りで生きていけない
なぜならそんな生き物だから
誰かに支えられた上で
個人が形成されるのだから
心のなかであなたは孤独だった
私がいるのにも
あの人があなたに微笑んだ事も知らずに
あなたは孤独だと思い込んでいた
こんな事を話すのは少し複雑だが
あなたに気づいてほしかった
独りで生きていくことは出来ぬということに
あなたを支える人が誰一人としていないのなら
私がそれになってやろう
あなたが孤独にならぬように
あなたが気づかなくても
私は支える
あなたを支える
そんなことをあなたに伝えたい