11/27/2025, 1:51:33 AM
『どこへ行こう』
魔王を倒したあとはどこへ行ったらいいのだろう。
エンディングが流れたあと、次はどこを目指せばいいのだろう。
5線に乗せられた音を辿り終止符を打ったその先にはどんな音があるのだろう。
何も知らない赤子はただ泣くことしかできない。
どこへ行こう。
そう思った瞬間、私はもう既に歩き始めているのだ。
11/25/2025, 2:00:20 PM
『落ち葉の道』
落ち葉は誰にも拾われず、踏まれ、風に流される。
落ち葉を拾ってくれる人なんてそうそういない。
でも、たまに、風に逆らい、もしかしたら気まぐれかもしれない。しゃがむ人だっている。
でも、落ち葉は、風が吹けば、舞い上がる。
それを待つのもいいかもしれないが、私たちは、何も考えずに落ち葉でありふれたこの世界を歩く。
11/21/2025, 2:53:08 PM
『夢の断片』
誰にも踏まれていない雪の上
足跡はなく
ただ、空にいくつかの星が 散らばっている
冷たい風は私の輪郭をなぞる
音も、風もない
それでも私はここにいる。
そして、どこにもいない
11/19/2025, 2:31:34 PM
『吹き抜ける風』
もう誰もいない縁側に腰掛けた。
幼い笑い声もそれらを微笑ましそうに見つめる影が微かに覗いた。
その一瞬、颯が私の髪を遊び、そして、その先には零れ落ちてきそうなほどの星空が広がっていた。
私は、冷たくなった自身の背中をそっと撫でた。
11/17/2025, 3:20:00 PM
『冬へ』
真っ黒だった世界が真っ白に生まれ変わる。
誰かの叫び声も泣き声も、もう、聞こえなくて
あの人の声は雪のように、彼らの温もりは蝋燭の火が消えるように静かに解けていった。
世界は冬へと終焉を迎えた。