終わりなき旅
出逢いがあれば別れがある
そう、僕はこれから旅に出る
あてのない旅
「必ず戻る」そう約束をして
君と産まれたばかりの子供をこの街に残して
君は子供を背負い僕のために旗を振り
ただ見送っていた
家族写真をポケットに忍ばせて
戦地へ向かう
いつ終わるか分からない戦い
いつ終わるか誰にも分からない
つかの間
無線で君の声を聞いた
「あなた…」
涙が溢れそうになった
必ず帰るんだ!
そう自分を奮い立たせた
敵の陣営に襲撃をかけた時
激しい痛みと
薄れてゆく意識
僕は空へ旅立った
妻よ子よ
君たちの人生の旅は終わらない
長い時間をかけて
いつかまた会う時が来るだろう
その時がきたら
時間の経過など忘れ
空の上で
終わりなき旅に出よう
読んで下さり ありがとうございます
愛を叫ぶ
夫と結婚して三年
私は高校にもろくに行かない悪ガキで
夜な夜な遊んで歩いていた
今で言うパパ活みたいなこともした
お金が欲しかっただけなんですがね
結局高校は中退して、飲み屋でのバイトを
転々としながらの生活
たまにパパ活をして…
夫とはそんな頃に出会う
会社の人と飲みに来たのだ
至って真面目で普通の人で
面白いわけでもない
服やバックなど買ってくれたらそれでいい
と、たかをくくっていた私
だから適当にデートをしていた
夫は真剣に私に似合う服を探している
だけじゃない
私を真剣に好きでいてくれた
大体の大人の男性はお金としか見なかったし
相手もきっと金さえ渡せば遊べると
思っていただろう
どこか男性を信じられない私がいた
夫は全てが違ったのだ
それからは少しずつ夫に心を開いてゆく
半年後には同棲を始めた
更に半年後には結婚をした
入籍だけ済ませた
翌年には第一子の妊娠、出産
慌ただしい一年だった
夫はイクメンっぷりを発揮していた
そしてそれは唐突にやってくる
夫が仕事で会社に戻る途中
事故にあった
あっけなかった
対面した時には もう冷たくなっていた
それからの数日は記憶にない
49日が過ぎた頃
夫の友人から連絡がきた
「見せたいものがある」と
日程を決め夫の友人達が家へやってきた
友人の一人が言う
「もうすぐ○○ちゃん誕生日でしょ。あいつサプライズで動画撮ってたんだ」
動画の再生が始まる
にっこり笑った夫がいる
日本一高い山を登っている夫
汗をかき、息を切らし
友人達と冗談を交えながら
頂上に着いた夫は
大きく息を吸い込んで
「○○愛してるよー、これからもよろしくねー」
「誕生日おめでとー」
夫は叫んでいた
子供を連れて夫のところへ行こうかとさえ
考えていたけれど
この動画を毎年見て
頑張って生きてみようと思えた
長文失礼しました
モンシロチョウ
ひらり ひらり
空を舞うモンシロチョウ
追いかけて
つかまえて
君を籠の中にしまいこんで
眺めていた
ふと可哀想に思えた
自由に空を飛び
花の蜜を吸い休んでいたはずなのに
子供だったあの頃
窮屈なかごから
空へと解き放った
春の訪れとともに姿を見せる
モンシロチョウ
今もこれからも
自由に羽ばたいて
初恋の日
遠い記憶
もうおぼろげな記憶
君はヒーローだった気がする
恋することに恋していたあの頃
雑誌の占いを見ては
一喜一憂してたあの頃
君と話がしたくて
共通する話題を探していたっけ
借りたCD は何度も聞いたよ
君の世界観に触れたような気がして
嬉しかったんだ
君に会って良かった
ただ純粋に見つめていただけの
初恋でした
明日世界が終わるなら
「明日世界が終わる」んだってさ
そんな話が世界中を駆け抜けた
テレビじゃ
巨大な隕石が…とか
宇宙人の侵略か…とか
やたらと情報が流れてる
世界中がパニックになっている
「明日世界が終わる」んだってさ
電話越しの君は「ああ、そうみたいだね」と
シラケてるけど
テレビの情報など知ったことじゃない
君の顔だけが思い浮かぶ
だからね
遠く離れた君に会いに行くよ
君が美味しいと言ってくれた料理を
一緒に食べよう
満点の星空を眺めて
ありがとう、大好きだよ
と伝えよう
明日世界が終わるなら
君にきつく抱きしめられて
眠り続けたい