『記憶の地図』
方向音痴の私は
頭の中で地図が描けない
記憶を辿って歩こうとしても
目的地にたどり着けない
だからきっと
今も迷ってるのだと思う
ずっと迷って迷って迷った先に
貴方がいた
でももう私の先には貴方はいない
目印がなければ私はどこを歩けばいいのかわからない
この先に道はない
私はずっと迷うしかない
貴方を探し出せるまで
『マグカップ』
マグカップを新調しようと思って雑貨屋さんに行くと、いつも妄想しちゃうの。
付き合ってもない貴方とお揃いのマグカップ。
渋めがいいのかなぁ、とか
白のシンプルなマグカップが似合いそう、とか。
私も貴方も猫が好きだから色違いとか可愛いかも。
いつか叶うといいなぁ、
貴方とお揃いのマグカップ。
新居にふたつ、並べたい。
煌めく指輪と一緒に。
『もしも君が』
もしも貴方が同級生だったら
私の手を繋いでくれたでしょうか
もしも貴方が先輩だったら
私の隣で笑ってくれたでしょうか
何度思ったことでしょう
“もしも貴方が大人じゃなければ”
貴方と手を繋ぎたい
貴方の隣で笑っていたい
貴方の髪に触れたい
貴方とキスをしたい
どれだけ願っても叶わない
どんなに思っても届かない
どれも全部私が子供だから出来ない
もしも私がもっと早く生まれていたら
そう考えてはみるけれど
結局
叶わなくても
届かなくてもいいから
私はまた貴方に恋をするのです
『君だけのメロディ』
鳥の囀り
木漏れ日の囁き
夏風の歌声
雲の泣き声
太陽の笑声や
睡蓮の寂声
私の世界には
沢山のメロディがあるの
音程がなくても
すべて美しいのよ
私のために奏でられるメロディ
君にも感じて欲しい私のメロディ
君の世界のメロディを
私も聴きたい
だから君だけのメロディを聴かせて
私だけのメロディを
雨音に乗せて
君に届けるから
『I love』
夏目漱石は月を見ると想い人を思い出すのだろうか
I love you を 月が綺麗ですね に訳した理由は
私にはわからないけれど
こういうロマンチックな表現が私は1番好き
I love you
I love me
I love my family
訳の理由はわからずとも
私は愛する人たちと綺麗な月を一緒に見たい
夏目漱石もそんな思いで訳したのなら
少しは漱石を理解できているだろうか