明けない夜はない
今は暗くとも、必ず日は昇る
悪い状態が続いたとしても、いつかは光が差す
本当の日の出は待ち続けることしかできないが、心の日の出は、自分の努力や周囲の助けによって、時間を早めることができる
しかし、せっかくが朝を迎えても、また日が落ちて夜が来るだろう
それでも、幾度となく夜の闇に閉ざされたとしても、諦める必要はない
明けない夜はないのだから
何度でも日の出を迎えればいい
今年の抱負は、考えだしたらキリがないよね
達成したいことや、こう在りたいっていう姿が多すぎる
さあ、どうしたものか?
悩んでまで決めるようなことではないし、無くても問題ないと思うけど、やっぱり正月でたるんだ自分に喝を入れる意味でも、表明しておきたい
そういえば、私は去年は自分のことで精一杯だったから、今年は積極的に他人を助けられるような、そんな自分になりたいかな
人のための行動を色々できたらいいね
君はどんな一年にしたい?
去年の抱負はみんなの役に立つ、だっけ?
去年の君はたくさん頑張って、みんな助かったと思うから、有言実行できてたよね
ああ、今年は自分を大事にしていきたいんだね
そうだね、自分を大切にしてこそ、人にも優しくできるよね
去年、みんなのために色々やってきたんだから、その分、今年は自分のための一年にするのもいいと、私も思うよ
新年が明けてしまった
あけましておめでとうございます?
めでたくねえよ!
門松は冥土の旅の一里塚と言うだろう!
毎回この日を迎えると誕生日以上に歳取った気がすんだよ!
心中察するが、安心しろ
時間の流れは平等だ
お前が歳を取る時、この世の生きとし生けるものも歳を取っている
みんなで老いれば恐くない
ただ、始まりと終わりが違うだけだ
それに、体は老いても、心は成長しているとも考えられる
歳取ることも別に悪いことではないさ
自分が成長した新年を楽しめ
なんというポジティブ!
目からウロコだ!
なるほどな、みんなと一緒に成長してるんだな、俺も
門松は一皮むける一里塚ってことか
なんて言いくるめられるかー!
俺は信念を持って新年を拒否するぞ!
砂時計を横倒しにしてやる!
やれやれ、気にしても無意味なことが気になるやつは、大変だな
歳を取ることの是非はともかく、無事、新年を迎えられたことを喜んだほうが、人生得だぞ
今日は大晦日だっていうのに、非常に運が悪い
今年最後の買い物に行ったら、自転車が途中でパンク
さらに財布を忘れたことに気づいて一度自宅に戻る羽目になった
しかも改めて行った買い物の帰り、危ない自転車の運転をしていた奴に逆ギレされるし
気分転換のためにゲームで対戦したら、ダメ押しと言わんばかりに、全戦全敗である
最悪のシメだと、一緒に年越しするために集まった友人たちに愚痴ると、災難だったなと笑われた
笑い事じゃないぞ
テンションだだ下がりだよ
俺は少し不機嫌そうに顔を歪める
すると友人の一人、結城が俺の背中をポンッと叩いた
「まあ、来年分の悪いことが今日の出来事で無くなったと思おうぜ」
「まあ、そうとでも思わないとやってらんないよな」
なんかスッキリしないけど、納得させるか
俺は料理上手の矢野がすき焼きの用意をしているのを眺めながら、気分を切り替えることにした
ちなみに、矢野はちょっと変わったすき焼きにするらしい
「それに、今年のシメはこのすき焼きパーティーだろ?
今から存分に楽しめばいい
終わりよければ全てよしだ」
確かに、気の合う友人と楽しく喋りながらすき焼きを食べて、年越しができるんだから、それと比べたら今日起きた悪いことなんて大したことじゃないな
「じゃあ、今日は思いっきりはっちゃけるかな
そうすれば、気持ちよく新年を迎えられそうだ」
「そうそう
うまいもの食って、友人同士、話で盛り上がって、気分も上げながら、良いお年をお迎えしようぜ」
結城のポジティブさは見習いたいね
さて、矢野の特製すき焼きが完成したみたいだ
今日の本番はこれからだな
年末になると、1年間を振り返る人や番組、企画がたくさん出てくる
しかし私はこの時期になってもそういったことはしない
なぜなら、私は常に1日1日を全力で生きているからだ
いや別に、毎日余裕なく生きているわけではない
単に毎日その日を振り返り、様々な思いを巡らせる習慣がついているため、わざわざ年末に今年を総括する必要がないのだ
だが私の友人が、たとえ1日ごとに振り返っているとしても、1年間を振り返ることに意味はある、と言ってきた
なんでも、年末に一気に振り返ることで、見えてくる課題や反省、目標や新たな視点があるらしい
確かに、1日の振り返りは、その日の気分にだいぶ左右されることになるだろう
年末に振り返る時には、また違った見方ができるのかもしれない
今年は丁寧に1年間を振り返ってみるのも悪くないと思い始めた
いつも同じようにせず、たまには違うことをするのも大事だろう
年末に1年を振り返ることで、明日をいい日に、と考えるだけでなく、来年という長い期間を見据えて、より良くしていく努力ができるのであれば、無駄にはならないはずだ