ストック1

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12/20/2024, 11:26:23 AM

あっ、なんか演奏会やってる
ハンドベルの演奏かあ
私は昔、やってみないかって誘われたけど、プレッシャーに押しつぶされて断ったな
失敗したらすごく目立つだろうからね
ハンドベルの音色は好きなんだけど、私は聴く専門がいいよ
今も演奏してみようとは思わないかな
やっぱり、責任が重い感じがするんだよね、複数人の中で一人一人が順番に一音ずつ鳴らすのは
だからあんな風に楽しげに演奏してる子達を見ると、尊敬の眼差し向けちゃうよね
プレッシャーを跳ね除けて、あんないい笑顔でハンドベルを鳴らしてるわけでしょ
すごいって
聴く側も、心地よく聴けるよね
それにしても、やっぱりハンドベルの音色っていいな
きれいな音だよね
なんか、別に落ち込んでたわけじゃないけど、元気をもらった気がするよ

12/19/2024, 10:42:50 AM

私は名の知れた魔法使いだ
私を指して偉大な賢者、などという者もいる
自分でも、なかなか頑張って、魔法を使い他人のために働いてきたと思っている
私に憧れてくれたり、教えを請うてくる者も老若男女問わず現れる
私の積み上げてた技術を、様々な人々に教えるのは充実した日々だ
この齢になっても、楽しく過ごせているのは、幸運なことだろう
だが、少し寂しさを感じることもある
私は名声が上がりすぎた
周囲の人々は、私を尊敬の目で見て来る
その尊敬が強すぎて、遠慮しながら話すのだ
気づけば私は、友と呼べる者が一人もいない存在になっていた
私の生きる日々はとても素晴らしいものだ
しかし、物足りなさを感じるのも事実
叶うならば、私を対等に扱ってくれる友が欲しい
だが、これだけ恵まれている私がこれ以上を望むのは、贅沢が過ぎるだろう
そういえば、私と同じ学園で学び、夢破れた彼は今、どうしているだろう
彼に私が物足りなさを感じるなどと言ったら、怒られるかもしれないな
お前は夢を叶えたのに、まだ欲しいのか、とね
そんなことを考えていたら、久方ぶりに彼が訪ねて来た
私同様、年老いてはいたが、元気そうだった
彼は夢破れたあと、また新たな夢、目標を見つけたらしい
そして、その夢を叶えたのだそうだ
先に夢を叶えた私に、今の自分を見てほしくて会いに来た、とのことだ
私は嬉しくなった
彼がどうしていたか、気になっていたが、新たな夢を叶えられたのなら、とても喜ばしいことだ
彼は長らく姿を見せなかったことを謝ると、また、友として話をさせてほしいと言ってきた
もちろんよろこんで、と答えた私は、気付けば涙を流していた
私の中に空いた最後の心の穴が、彼によって埋められた気がした
私には、友と呼べる者が確かにいたのだ

12/18/2024, 10:23:06 AM

冬は一緒にコタツにでも入ってさあ、ゴロゴロしていようよ
寒い時は動かないに限るよ
あんまり体温下げたり、気温の低いところにいると命に関わるからね
それに、コタツはあったかいよ
すんごく気持ちいいよ
とっても心地良いよ
誰もコタツの魔力には逆らえないんだからさあ、諦めて寒さを忘れてゴロゴロしようよ
一度入ったらヤミツキだよ?
だいたい一人でコタツに入ってゴロゴロしてても暇なんだよね
話し相手とか欲しいわけよ
え?そんなのに付き合う気はないって?
どっかへ出かけたいの?
まあ、そっちが嫌ならいいんだけど
でもねえ、外に出て後悔しても知らないよ?
寒空の下、ブルブル震えて、鼻水垂らしながら、ああ今頃あいつは温かいコタツでぬくぬくしてるんだろうなあ、なーんて考えて、惨めな気持ちになるかもよ?
私とコタツに入ってゴロゴロしてれば、寒さとは無縁だし、私との会話も弾んで楽しいよ?
それでもあなたはコタツに入らず行っちゃうのかな?
私とコタツでぬくぬく仲良く喋るほうが、賢い選択だと、私は思うな
……あ、行っちゃった
本当に行っちゃったよ
あーもう、こっちはものっすごく暇だけど、コタツは温かいし外は寒いしで、もう出られない状態なのに
北風でも吹いて、寒さに凍えながら後悔しろ!
……暇だなー

12/17/2024, 10:57:23 AM

さっきまでたくさんいたはずなのに、どこへ行ってしまったのだろう
ハトはいつの間にかいなくなっていた
食事の時間を終えて飛び去ったのだろうか
私はボーッとしていたらしく、いつハトがいなくなったのか、わからない
なにか少し寂しさを覚える
ハトで賑わっていた景色は、私以外、人すらいない空白になっていた
そういえば、ハトを見て何かを思いついたはずだが、私は何を思いついたのだったか
全く思い出せない
よほどボーッとしていたのだろう
記憶からこぼれ落ちてしまったようだ
文字ではなく絵や図の類だった気がする
記録しておこうと思ったのだが、あいにく紙やペンは持っていなかった
残念だ
大した思いつきではなかった気もするが、その判断は思い出さなければできないだろう

今ここに、ハトの姿は無く、記録する紙とペンも無い

とりとめもない話
鳥とメモ無い話

12/16/2024, 11:05:56 AM

(昨日の「雪を待つ」の続き)

はっはっはっ
笑っちゃうよ
雪を見られたのはいいけど、結局風邪をひいたね
でも後悔はしていないよ
初めて雪というものを見られたんだから
風邪ひいたってことは私はバカじゃなかったんだね

「お前はバカではないだろうが、別にバカでも風邪はひくだろ
あと、今度はもっと防寒対策しような
雪だるま作ったあと、また風邪ひいたら大変だからな」

うん、そこは反省点だよね
どうも私はそういう計画性が足りないところがある
正直言って、あんなに寒いとは思わなかったな

「で、大丈夫なのか?」

大丈夫といえば大丈夫かな
体温は高いけど、思ったより辛くないよ
でも今、家に誰もいないからほんの少し心細いね

「それで電話かけてきたのか
俺で心細さが紛れるなら、いくらでも付き合うぞ」

君、けっこう優しいよね
友達思いだし
君が他人にはっきり文句言ってるところとか、見たことないよ
意見する時も、相手が嫌な気分にならないような言い方が多い気がするし

「急にどうしたんだ?
風邪で弱って俺が聖人にでも見えたか?」

かもしれないね
でも、私は普段から君のことを本当にすごいと思ってるよ
なんで友達が少ないのか、わからないな
みんなの愛されキャラにだってなれそうだけど

「俺は本当に気の合う少数とつるむのが好きなんだよ
誰彼かまわず友達になるってのは、俺の趣味じゃないからな」

私がその少数の内のひとりになれたのは、光栄に思ったほうがいいのかな?

「俺はそんな大物じゃないぜ」

そうかな?
私は大物だと思うよ?

「はいはい」

さて、通話はこのへんにしておくよ
ありがとう、おかげで少し元気になれた

「もういいのか?」

うん、気分の悪さがだいぶ和らいだよ

「そうか、それはよかった
じゃ、お大事にな
もう一回言うけど、来年、雪が積もって雪だるま作る時は、寒さに気をつけろよ」

うん、それじゃあ

「またな」

風邪ひいたのなんてすごく久しぶりだから、すごく気分が下がったけど、なんとか乗り越えられそう、かな

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