(昨日の「雪を待つ」の続き)
はっはっはっ
笑っちゃうよ
雪を見られたのはいいけど、結局風邪をひいたね
でも後悔はしていないよ
初めて雪というものを見られたんだから
風邪ひいたってことは私はバカじゃなかったんだね
「お前はバカではないだろうが、別にバカでも風邪はひくだろ
あと、今度はもっと防寒対策しような
雪だるま作ったあと、また風邪ひいたら大変だからな」
うん、そこは反省点だよね
どうも私はそういう計画性が足りないところがある
正直言って、あんなに寒いとは思わなかったな
「で、大丈夫なのか?」
大丈夫といえば大丈夫かな
体温は高いけど、思ったより辛くないよ
でも今、家に誰もいないからほんの少し心細いね
「それで電話かけてきたのか
俺で心細さが紛れるなら、いくらでも付き合うぞ」
君、けっこう優しいよね
友達思いだし
君が他人にはっきり文句言ってるところとか、見たことないよ
意見する時も、相手が嫌な気分にならないような言い方が多い気がするし
「急にどうしたんだ?
風邪で弱って俺が聖人にでも見えたか?」
かもしれないね
でも、私は普段から君のことを本当にすごいと思ってるよ
なんで友達が少ないのか、わからないな
みんなの愛されキャラにだってなれそうだけど
「俺は本当に気の合う少数とつるむのが好きなんだよ
誰彼かまわず友達になるってのは、俺の趣味じゃないからな」
私がその少数の内のひとりになれたのは、光栄に思ったほうがいいのかな?
「俺はそんな大物じゃないぜ」
そうかな?
私は大物だと思うよ?
「はいはい」
さて、通話はこのへんにしておくよ
ありがとう、おかげで少し元気になれた
「もういいのか?」
うん、気分の悪さがだいぶ和らいだよ
「そうか、それはよかった
じゃ、お大事にな
もう一回言うけど、来年、雪が積もって雪だるま作る時は、寒さに気をつけろよ」
うん、それじゃあ
「またな」
風邪ひいたのなんてすごく久しぶりだから、すごく気分が下がったけど、なんとか乗り越えられそう、かな
12/16/2024, 11:05:56 AM