LINEにメッセージが来た
でも開けない
心の準備ができてないから
先に通知で少し内容を読んだけど
それだけでわかる
私にとって嬉しい報告が入ったのだ
悪い知らせなら
すぐに見て確認してしまえるのに
どうも私は
嬉しいことのほうが緊張してしまうらしい
ウキウキしながら手は震えている
気持ちが抑えきれなくなったら
準備完了の合図
意を決してタップしよう
ようやくLINEを開けた
丁寧にメッセージを読む
再来週末の予定は空けておかないと
不完全な僕は、完全にはなれない
どんなに頑張っても不可能だ
僕だけじゃない
この世界に、完全な人などいないし、
完全に辿りつける人もいないだろう
けれども、完全を目指すことはできる
辿りつけなくても、
近づこうとすれば、
今よりいい未来を作れるかも知れない
ゴールに辿りつくことだけが大事なんじゃない
きっと、ゴールまで行けなくても、
後ろへ下がることがあっても、
ゴールへ向かっていくことや、
その過程で得たものも大事なはずだ
不完全な僕でも、
完全になれない僕でも、
目指せばなにかを得られる
そう信じて、一歩一歩、進んでいこう
いつも同じ曜日に
同じ香水を買うその人は
同じものを買っているのに
いつも楽しそうで
その顔を見ていると
接客を頑張ろうという気になる
こちらも笑顔になれる
同じ香水を毎週買うというのも不思議だけど
そんなに気にはならない
けどある週から
その人は姿を見せなくなった
毎週欠かさず来ていたのに
どうしたのだろう
遠くへ引っ越してしまったのだろうか
少し寂しさを感じていたある日
いつも来店していた曜日
あの人が久々にやって来た
それも三人で
どうやら一緒の二人は妹のようだった
久しぶりなその人は
しばらく故郷に帰っていたのだという
これから妹たちと三人で住むから
お気に入りの香水を紹介しに来たのだそうだ
その日から
その人はまた楽しそうに
同じ曜日に来るようになった
普段は一人、そして時々三人で
私はより一層の笑顔で接客を頑張ろうと思った
だけど毎週同じ香水を買う理由は結局わからない
そんなに気にはならないけど
言葉は最も簡単に想いを伝えられる
けれど、言葉だけが想いを伝える手段じゃない
表情、動き、行動、作品
人は様々な方法で想いを伝えられる
だから、言葉だけに頼らなくていい
君を勇気づけたい、元気づけたい
君に大丈夫だと伝えたい
君には味方がいるのだと伝えたい
きっと今、この想いを言葉にしても
うまく伝わらないだろう
言葉はいらない
ただ、君の手を優しく握る
君に、この想いを伝えるために
何の連絡もなく、突然の君の訪問。
いつものことだ。
君はいつも突然来ては、僕を遊びに誘うのだ。
予定がある時はちょっと迷惑だけど、暇な時は僕も誘いに乗ってついて行く。
君は行き先を言わない。
僕の分の必要なお金を払ってまで、君はサプライズしようとする。
なんだか悪いけど、君はとても楽しそうだ。
君の行く先はいつも面白い。
僕を思いも寄らないところへ連れていき、世界を広げてくれる。
自分では絶対に行かないであろう場所でも、君に教えられた場所は常に楽しい。
君のおかげで日々を楽しく過ごすことができる。
でも、いつか僕も君を驚かせられるようになりたい。
君からもらってばかりじゃ悪いし、僕もサプライズを仕掛けるのは好きだから。