【星明かり】
空に浮かぶ宝石が
弾けとぶ
ぴかぴかと
きらきらと
音を奏でているようだった
この星々が
わたしの心を震わせた
この星空を
あなたと見たかった
叶わない望みだと
夜の静けさが
わたしに事実を告げる
涙で滲んで
揺らめいている
星明かりは
冷たいのに温かい
この愛しさや苦しみは
いつか意味をなすだろうか
星明かりに照られながら
そっと夜風に吹かれていた
【静かな情熱】
忘れてしまいたかった
胸の中にある真っ赤な感情
もう 大人だから
もう この年齢だから
そんな言い訳をして
忘れたふりをした
花屋で咲いている
赤いアネモネが僕を見つめる
それは 僕の心に
小さな炎を灯す
見て見ぬ振りを続けていた
夢を また始めたい
小さなことでいい
ほんの些細なことでいい
手を伸ばしていたい
馬鹿にされても
自分が納得さえすれば
素晴らしい未来だろう
望まなければ開かない扉を
開けるか開けないかは
僕の自由だ
【遠くの声】
私を呼ぶ声がする
それは 私の大好きな
あの人の声
好きでいるのはやめたと言うのに
君は私の気も知らないで
私を呼んでいるんだろう
今でも揺れ続けている
感情に線引きをして
『好き』を抑えるよりも
そのままがいいんじゃないか
伝えてはならないのは
分かっている
それでもまだ 君が好き
君に伝えられない感情を
大空に叫びたい
届かなかったとしても
それでもいい
感情は感情のまま
あるがままで
私は私のまま
彼は彼のままで
それでいい
君の呼ぶ声を
ただ 愛おしく想う
届かない想いであっても
君が幸せでいるなら
それでいいんだ
【ひとひら】
私は泣きながら
君に背を向けた
未練がないわけではない
ここで咲いてはいけないと
胸騒ぎがしたから
走って遠ざかった
せめて ひとひら
愛した証を置いていきたい
願わくば
君の記憶の片隅に
残っていたい
そして私は
この春に誓う
また咲くことを
唇を噛み締め
雨を待った
【風景】
今日という日を
心待ちにしていた
棘だらけの景色を
切り裂いて描いた
新たな風景
これは私の世界
芳しい
美しい
自由である
そんな私を始める
思い立ったが吉日
この世界は
私が彩ると決めた
東に照準合わせて
希望に胸を膨らませ
新たな世界へ