NoName

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10/15/2024, 1:26:16 PM

ー鋭い眼差しー

それは、鋭い眼差しで私を捕える。
寝ても覚めても、それはいつも私の近くから離れない。

『孤独だ。』

不意に、目が覚める。
時計の針は4時を指している。
カーテンの隙間から、街灯の灯りが差し込んでいる。

心拍数が高くなる。

『なんで…、いつも君はこっちを見るの?』

まるで捨てられている猫が捕食しようとしているような、切なくも強い眼差しだ。

それは、私に少しずつ近づいてくる。

咄嗟に、その存在と私を一度に抱きしめてしまった。
そして、抱きしめた腕をゆっくりと緩める。

ふと、それは静かに佇み、私の側に留まって、こちらを見つめている。

「認めてほしくて、寂しくて、ずっと惨めだった。」と、それは静かに語る。
今にも崩れ落ちそうなその孤独は、私の心の中に優しく溶け込んでいく。

『今までごめんね。』

それは、穏やかな眼差しで私を見つめ返す。

『明日は、一緒に出かけようか。』

私はそう言い、瞳を閉じる。
きっと明日も明後日も、孤独と私は手を取りながら歩いてゆくんだろう。

10/14/2024, 2:17:58 PM

ー高く高くー


私の祖父は天高く、旅立った。

嫌な虫の知らせのあったあの日。
とても酷い災害の年だった。

今、どこにいるんだろうと、ふと頭をよぎる。

生きてる側の勝手な妄想だけど、
おじいちゃんは空の上で笑ってるだろうか。

私が天高く飛び立つには、あまりにも早すぎる。


どうか、


『最高の土産話を持ってくから、待っててね。』

10/13/2024, 10:26:08 AM

ー子供のようにー

いつからか、私は忘れてしまった。
子供のように無邪気でいることを。

あんなにはしゃぐことは、きっと二度とない。
それでも、自分の内側にある子供心を、時々ほぐしてあげる。

歳を重ねて、いろんな時代の自分を連ねていく。
時には辛く、楽しくもある。
そうやっていろんな時代の自分が重なり合っていくけれど、大切に、丁寧に扱いたい。

いつだって、子供の私と大人の私は、並走して生きていく。

10/12/2024, 1:07:44 PM

ー放課後ー

今となっては、あまりにも遠すぎて美しい日々だった。
夕暮れの中に、私と君が消えてゆく。

いつのまにか、君と私は別の道を歩んでいたね。

薄れゆく記憶の中で、あの頃の私たちが笑っている。


もう行かなくちゃ。




『バイバイ、ずっと元気でね。』

10/11/2024, 10:43:13 AM

ーカーテンー

ああ、保健室の布団は柔らかい。
横隣のカーテンを開くと、もうひとつのベッドには寝息を立てて横たわる君。
まつ毛が、まるで羽のように瞼を撫でている。
廊下には、パタパタと走る音や、誰かの笑い声が響いている。

突然、長いまつ毛が揺れて、君との視線がぶつかり合う。
君はまた目を瞑り、こちらを向いたまま微笑んでいる。
愛おしさが込み上げて、不覚にも胸がきゅっとする。

カーテンの向こうには、忙しない世界が広がっているけれど、今だけは二人だけの小さな世界。

永遠にこの時間が続くことを願いながら、再び二人は眠りについた。

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