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10/14/2024, 2:17:58 PM

ー高く高くー


私の祖父は天高く、旅立った。

嫌な虫の知らせのあったあの日。
とても酷い災害の年だった。

今、どこにいるんだろうと、ふと頭をよぎる。

生きてる側の勝手な妄想だけど、
おじいちゃんは空の上で笑ってるだろうか。

私が天高く飛び立つには、あまりにも早すぎる。


どうか、
最高の土産話を持ってくから、待っていて。

10/13/2024, 10:26:08 AM

ー子供のようにー

揺れる電車の中で、母親と子供が笑い合っている。
その無邪気さに、思わずハッとした。

いつからだろう。
私は、子供のように無邪気でいることを忘れてしまったように思う。

昔のように、もうはしゃぐことはないのだろうと、寂しく思う。

私は思わず、鞄につけていた可愛らしいテディベアを撫でた。

なんだか、大きなぬいぐるみが欲しい。
ふと、心が動き、通販サイトで気になっていたぬいぐるみを購入した。

ぬいぐるみが届く日を心待ちにしながら、賑やかな電車を軽やかに降りた。

10/12/2024, 1:07:44 PM

ー放課後ー

今となっては、あまりにも遠く、美しい日々だった。

喧嘩もよくしたし、仲違いした時もある。
それでも、お互いの存在が励ましだった。

二人の制服のボタンが、夕日に反射して光っている。
夕暮れの中に、私と君が消えてゆく。

そして、いつのまにか、
私と君は別々の道を歩んでいた。

ある時を境に、会うことができなくなってしまった。

けれども、
あの頃の私たちが今も笑っている。

今も、夕日を見つめ、君を想う。

10/11/2024, 10:43:13 AM

ーカーテンー

ああ、保健室の布団は柔らかい。
横隣のカーテンを開くと、もうひとつのベッドには寝息を立てて横たわる君。
まつ毛が、まるで羽のように瞼を撫でている。
廊下には、パタパタと走る音や、誰かの笑い声が響いている。

突然、長いまつ毛が揺れて、君との視線がぶつかり合う。
君はまた目を瞑り、こちらを向いたまま微笑んでいる。
愛おしさが込み上げて、不覚にも胸がきゅっとする。

カーテンの向こうには、忙しない世界が広がっているけれど、今だけは二人だけの小さな世界。

永遠にこの時間が続くことを願いながら、再び二人は眠りについた。

10/10/2024, 4:18:18 PM

【涙の理由】


私は、空を見上げて涙を溢した。
それは、あの日見た空と同じ、青空だったから。

ずっとずっと昔。
あの子が飛び立った日は、雲ひとつない晴天だった。
亡骸は温もりを失い、遥か遠くに飛び立ってしまった。
忘れることのない痛みが、また私の心を揺さぶる。

そして、今でもしきりに思う。

『また会って、抱きしめたい。』


あの日に似た風がまた、私を優しく撫でた。


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