『私だけ』
僕は昔から他人の様子を伺う癖がある。手を力強く握っている人は、もしかしたら肩に力が入って緊張しているのかもしれない。逆に、大きく足を開き、胸を張っている人は少し横柄な性格なのかもしれない。そういう風に他人を観察する癖がある。
この癖を持った理由は自分でも正直分からないが、もしかしたら生い立ちに関係しているのかもしれない。小さい頃に僕の父親と母親は離婚をした。幼かった僕は戸惑った。しかし、別に悲しいとは思わなかった。離婚の理由は父親の暴力だった。僕は四人兄弟の三番目で、離婚した当時は小学一年生になったばかりだった。暴力は基本的に僕と僕の兄が標的だった。涙を流す日々が続いた。なので、離婚を聞いた日は正直に言うと嬉しかった。あの人ともう会わなくて済む、と。
それ以来、僕は他人の顔色や仕草を伺う癖が身についた。
ある日、僕は派遣バイトをした。その時に、少し横柄で怖そうな男の人が仕事を教えてくれた。僕は仕事を聞くのにも躊躇うほど恐怖を感じた。しかし、意を決して話しかけてみることにした。すると、案外笑顔の絶えない愛嬌のある人だった。人物像とは一見の印象だけでは分からないと、その時に思った。
『神様だけが知っている』
空の彼方に隠された真実
星たちの間に散りばめられた謎
静かな夜にささやく風
それは誰も知らない、ただ一人の存在が知るもの
流れ星が落ちる理由
涙が頬を伝う瞬間
希望が心に芽生えるとき
絶望が影を落とす瞬間
全ての答えは、神様だけが知っている
道に迷ったとき
未来が見えない夜
問いかける声に応える影
それは目に見えぬ手が導くもの
心の奥底に秘めた願い
言葉にできない祈り
それは静かに神様の元へ届く
誰も知らない、その一瞬一瞬を
神様だけが知っている
すべての始まりと終わり
私たちの小さな世界のすべて
無限の時の中で、見守り続ける
神様だけが知っている。
『この道の先に』
風が囁く、この道の先に
何が待っているのか、誰も知らない
木々の影が揺れ、光が踊る
一歩ずつ進むたびに、心が高鳴る
遠くに見える山々は、手招きするように
「おいで」と、静かに語りかける
足元の小さな石ころ、柔らかな土の感触
自然の息吹を感じながら、道を進む
この道の先に、希望がある
夢が、未来が、私を待っている
躓いても、立ち上がる勇気が
私を強くしてくれる
この道の先に、未知なる世界
その扉を開けるのは、私の心
風が囁く、この道の先に
新しい自分が、待っているのだ
『日差し』
朝の光が窓辺にそっと、
静かな夢を覚ますとき。
柔らかな日差しが差し込んで、
新しい一日の始まりを告げる。
木々の間を抜ける光は、
緑の葉を優しく照らし、
風に揺れるその影は、
まるで踊るように揺らめく。
陽だまりに座り込んで、
目を閉じると感じる温もり。
心の中の不安も、悩みも、
溶けて消えていくように思える。
日差しは希望の象徴。
過去を照らし、未来を導く。
その光を浴びて、また歩き出す。
新たな夢と共に、一歩一歩。
光の中に広がる世界は、
無限の可能性に満ちている。
だから、顔を上げて、進んでいこう。
日差しが導く道を信じて。