〈夢じゃない〉
僕がいつも通りソファーに座ってテレビを見ていると、膝の上にいつの間にか愛犬が乗っていた。膝にぬくもりが伝わってくる。この子は本当に甘えん坊だ。僕がそっと背中を撫でると、愛犬は嬉しそうにこちらを見た。真っ黒な丸い目が宝石のように輝いている。愛犬はそっと僕の手を舐めた。ああ、幸せだな。この時間がずっと続けば良いのに。
テレビでいきなり派手な音楽が流れ出し、僕は目を開けた。いつの間に眠っていたのだろう。ふと下を見ると愛犬はもうそこには居なかった。
そうだった。あの子はもう居ないんだ。
1週間前、愛犬は静かに息を引き取った。寿命だった。最期まで幸せに生きたのだからと自分に言い聞かせても、寂しくて、悲しくて、僕はずっと泣いていた。
膝の上に手を当てると、まだ少し温かかった。あの子の温もりだ。
もしかして、あれは夢じゃなかったのかな。泣いている僕を心配してもう一回来てくれたのかな。
さっき見た愛犬の笑顔を思い出す。なんだか、僕を励ましてくれているような顔だった。
いつまでもぐずぐずはしていられない。あの子に心配をかけない為にも、これからはちゃんと生きていこう。あれが夢じゃなかったのなら、きっと天国から見守ってくれているはずだから。
〈心の羅針盤〉
中学生の頃はまともだった私の心の羅針盤。
ちゃんと未来を指していて、
夢の実現に必要な道を確実に歩むことが出来ていた。
でも、高校生になり、私の羅針盤は狂い始めた。
第一目的地だった志望校合格を経て、
やる気がふっと消えてしまった。
勉強という正しい方向ではなく、
全く反対の、楽な道を指し示すようになった。
愚かな私は、心の羅針盤を疑うこともせず従い、
自分の間違いに気づいた時には
完全に迷子になっている。
中学生の頃まではクラスの誰よりも早く終わらせていた夏休みの宿題も、今は全くやっていない。
自習室で会った友達の、進み具合を見て後悔しても
家に帰るとSNSに溺れる毎日。
本物の羅針盤は磁石を当て続けたら直るけれど、
心の羅針盤を直す磁石はどこにあるんだろう?
私の羅針盤が正しい道を指し示すようになって、
私がまだ真っ白な夏休みの宿題に手をつける日は
来るのだろうか。
〈またね〉
後で書くかもしれません
〈泡になりたい〉
泡って不思議。
興味のない時には、水と同化して目立たないけれど
一度見始めたら、美しく光っていて、揺らいでいて、
すぐに弾けて消えてしまう。
子供の時みたいにずっとみてられる
人間も泡と似てるかもしれない。
人間なんて街中に溢れている。
興味がなければ
ただの背景のようにしか見えないかもしれない。
でも、一人一人よく見てみれば、
誰もが自分らしく生きていて、輝いている。
みんながみんないい人ばかりでは無いけれど、
悪い人と同じぐらい優しい人がいる。
人間や人と人との関係は
よく見なければつまらないものかもしれないけれど
きちんと向き合えば、泡のように儚く、美しい。
泡がすぐ消えるのと同じぐらい短い人生なのだから
その人生を美しく生きよう。
誰かが「綺麗だ」と思ってくれるような
生き生きとした人間になろう。
つまらない泡ではなくて
見ていて楽しい泡になろう
(急いで書いたので適当です)
〈ただいま、夏〉
思いついたら後で書きます