君との距離は毎日毎日遠くなってゆく。
近場じゃないから会えないし、
君は夜勤だから寝落ち電話も出来ない。
君との距離は毎秒離れてゆくばかり。
遠くなっていく君を追いかけることも出来ない。
近くに居たい。でも出来ない。
君とは離れたくない。でも行けない。
だって、君の居場所は―
誰にも分からないから。
119テーマ【距離】
ずっと気になってたけど、
書くタイミングがなかったので、
今書きました。結構いいのになったつもり。
太陽の下で日向ぼっこ。
屋上の扉がきぃ…と開いたので、体を起こしてそちらを見てみると、ひとりの女の子が立っていた。
「あら、先客かしら。」
「…は、初めまして、新屋真琴です。」
「ごきげんよう。新屋さん。」
「あ、あなたは、?」
「夜宵りこと申します。」
そうふわりと微笑むあなたを、少し強い風が襲う。ひゃあっと声を上げてスカートを抑えるあなた。綺麗にまとまった髪の束が風に揺られ、アニメみたいな上を向いてる絵のような写真が目に写った。実際はそんなことないのに。
「どうしたのかしら?」
「い、いえ、なんでも!」
「そう?隣、いいかしら。」
「あ、はい!どうぞ!」
「ありがとう…」
いい匂いする…やば…。
それから夜宵さんとたまに会うようになった。でも彼女は転校していき、会えなくなった。
でもある日、太陽がジリジリと照らす夏の暑い日のこと。
僕は太陽の温度が広々とした空間に広がることを読んで、ブランコを漕ぎながら公園を撮影していた時だった。
何も声が聞こえず、でも隣のぶらんこは揺れていた。誰かが座ったのだろう。
「新屋くん。」
「!、夜宵さん、?」
「夜宵りこです。」
「あ、新屋真琴です。」
「ここら辺、住んでるの?」
「あっはい!自然が多いので、充実してます!」
「そう…元気そうでよかった。」
そうカメラを向けようとレンズを動かした途端に、隣のブランコは、キィ、とだけ声を出した。今の夜宵さんの声は幻なのか?と思いつつも、シャッターを切った。
118テーマ【太陽の下で】
落ちていく
赤く染った紅葉の葉
黄色く染ったイチョウの葉
私は堕ちていく
この深い深い闇の中へ
目が開かない
瞼が重い
体も動かない
頭も働かない
何も出来ない状態で
何処かへひとり堕ちていく
誰もいない暗闇の中
ひとり倒れている私
暗闇で安易に動くことは出来ない
だからひとり寝る
深い深い眠りに入る
上には白い光が薄らと
私はもう帰らない
あの白く輝く世界には
もう行きたくない
もう帰りたくない
もう会いたくない
もう誰とも話したくない
白く輝く世界から
私の横にひとり紅葉が落ちた
私はその子と手を繋ぎ
ふたり丸まって意識を手放した
117テーマ【落ちていく】
どこまでも続く青い空、
君も見上げているのだろうか。
君がこの世界居るうちは、
一緒の空を見ていることになる。
僕はただ、それだけの事実でも、
心から嬉しいし事実を認めることが出来る。
ただただこの世界に、
君という存在がいるだけで、
この世界を愛することが出来る。
一緒の世界に生まれてよかった。
心通じあえてると、僕は思ってるよ。
君はどうかな?
116テーマ【どこまでも続く青い空】
たそがれしずく。
そんな名前の人に、昔出会った。
漢字は、"黄昏"ではなく、"誰麗"だった。
難しかったから、よく覚えている。
しずくは…"希玖"だった。
本当に書きにくそうだったよ。
名前を書く時はいつも、
みんなよりも沢山時間がかかっていた。
だからある時から、
平仮名でずっと書いていたらしい。
先生もそれを許していた。
画数が多い漢字を何回も書きたくないのは、
誰だって共感ができるだろうから。
またいつか会いたい。
たそがれ しずく くん。
誰麗 希玖 裙。
思いつかなかったのでいっそのこと名前にしてみました 笑
115テーマ【たそがれ】