ある日、僕の庭に星のかけらが落ちてきた。
それもひとつではなく、いくつものかけらが。
星のかけらたちは、光と音で僕に訴える。
このままじゃ寂しくて死んでしまいそう。
だから貴方の手で、元に戻して、空に還して。
勝手に落ちてきたのはそっちだろうとか、
騒がしいのは嫌いなんだとか、
文句をたくさん言ったけど、彼らは聞く耳も持たず。
仕方がないから、星のかけらたちの言う通りにした。
同じ色のかけらを繋ぎ合わせて。
かけらが足りないからと、また庭に落ちてくるのを待ち。
その間に、話をしてとせがんでくる彼らの話し相手になったりもして。
気がつけば、僕の庭は星でいっぱいになっていた。
かけらたちはみんな元通りの星になったのに、いまだ空に還ろうとせず。
そのことに、何故か少しだけ安堵する僕もいて。
騒がしいのは嫌いだったんだけどな、と零したら、
賑やかなのも悪くないでしょう?と星たちが笑った。
空より星が溢れる庭も、確かに悪くはないかもね。
彼らに聞こえないように、心の中で呟いた。
あなたのことが大切だから、
ずっと傍にいたいと思った。
どれだけの月日が経っても、
姿も環境も変わってしまっても。
そんなの些細なことでしかないもの。
だから、
ずっと隣で、
あなたのために存在するわたしで居させて。
月夜に出会った君は
宵闇の得体の知れなさと
望月の眩い明るさを持ち合わせていて
僕にはそれが とても美しく見えた
大好きな君に早く会いたくて、
そわそわしながら家を出る。
めいっぱいお洒落をしたし、
デートの予習だって何度もしたから、
きっと、今日こそは大丈夫。
君に会えると考えるだけで心が弾む。
今日の君はどんな格好で、どんな表情を見せてくれるかな。
ああ、早く君に会いたいなあ。
世界を救うことができるのなら。
私の身など、捧げられるのなら捧げましょう。
たった一つの希望を、光を、
絶やさずに繋いでいくために。
――ああ、残される貴方たちに、
せめてもの祝福があらんことを。