世界を救うことができるのなら。
私の身など、捧げられるのなら捧げましょう。
たった一つの希望を、光を、
絶やさずに繋いでいくために。
――ああ、残される貴方たちに、
せめてもの祝福があらんことを。
太陽のような貴方に恋をした。
貴方のことをもっと知りたくて、近づきたくて。
貴方ばかりを見つめている私はきっと。
陽の光を追わずにはいられない、
向日葵みたいになってしまったのかも。
終わってしまった世界を、ゼロになってしまった世界を、あてどなく歩く。
どこまで歩いても、見えるのは荒野だけ。
生き物の姿はない。
『この世界に本当に希望はあるのか』
隣を歩く男がぽつりと零す。
終わったまま変化のない世界を見て、弱気にでもなったのか。
だが、ここで弱気になっている場合ではない。
『たとえ全てが終わってしまって、もう何も残されていなかったとしても。
まだ私たちがいる。まだ、光は失われていない。
私たちの手で、始めから--ゼロから、希望を紡いでいくんだ。
ゼロからのスタートも悪くないだろう?』
挑発するように笑ってみせれば、そうだな、と幾分か覇気の戻った声が返ってきて。
そうして今後も、歩みは止めず。
希望を探して二人旅を続けていくのだ。
今日は何をしたっけ、とベッドに寝転びながら考える。
学校に行って、放課後はあいつとくだらない話をしながら帰って、夜は借りてきた映画を見たんだっけ。
あの話は面白かったなとか、映画も続きが気になる終わり方だったなとか、とりとめのない考えが浮かんでは消える。
まあつまり。今日は特別なこともなく、普段通りの1日だったということで。
平和な今日にさよならだ、なんて思いながら瞼を閉じる。
明日は何をしようかな。映画の続編を探しに行くのも良いかも。
そうして明日に思いを馳せながら、意識はゆっくりと微睡みに沈んでいった。
誰よりも、何よりも
貴方にふさわしい私でいたい