6/15/2025, 12:04:48 PM
もう寝る時間だと告げられたように
マグカップの中のアメリカーノが冷えている
いい、まだまだ、
また紙を鞄から出し
インクで幾度となく
まだまだ
まだ、書けるのだ私は
構わん、そこで寝ていろ
君のことを書いてやるから
君を、千年後まで残す為に
千年後、君が忘れられぬように
美しい花のように、ひとときまたたいて
枯れていこうとする君のことを
私はなんでも綴ってやる
6/12/2025, 12:57:49 PM
出会ったとき電撃が体に走ったよ
好きになっちゃったんだ
愛しちゃったんだよ
真っ暗の中
泥にまみれて、雷に撃たれたような
泥沼の中に倒れて、窒息してしまいたい
君にはもう、いい人がいる
6/11/2025, 8:35:50 PM
灰色の空に向かって
両手を広げて
小雨でもかまわない
私の体に風穴を
カラスの鳴き声が聞こえる
電柱が、木のように凛々しくたっている
6/10/2025, 11:28:24 AM
夜明けの窓辺に座り頬杖をつく彼
古い旅行の記念に買った
英語表記のカメラで
小さい四角の中に収める
色は褪せているけど、
その光景は今も
まぶたの裏に染み付いて離れないので
かまわない
彼はただの少年なのに
金髪慧眼、小顔、長い睫毛
その美しさが彼の全てを汚した
また声をかけてくれまいかとただ、待つ
6/9/2025, 11:16:21 AM
電車窓、一人、体揺られて
街の流れを見る。一瞬一瞬を美しいと思うのに
次の瞬間、見えるのは新しい景色と、変わらず続く電柱で、その景色はぼんやりとしか浮かばない
もう、思い出せない。
本当に、淡いもので、汚い物ばかり頭に残る
辛いですお母さん
縋るのは甘えかと、
一人リュックを腹に抱えて端の席に座る
今の便利さ、美しいと思えないのは私よ
不便だけど、昔の風呂敷持って、開いて
膝にかけて、タバコの匂いがずーっとする機関車、
一回乗ってみたいの。
便利便利って、みーんな薄い板に顔向けちゃって
私、つまんないわ。