乱正堂

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2/8/2025, 2:26:18 PM

遠く遠く、さらに遠く
彼女は時空の彼方に砕け散った
深い深い時空に
ばらばらになって

名前も覚えていないし
見た目も覚えていない
ボブか、ショートか、ロングか
白い服だったような
脚は、細かった
今、彼女はどこにいるのだろう
僕の胃の中かもしれない。僕の横にいる?
それとももう居なくなってしまった?

もう誰も彼女を思い出さない
彼女の死は、僕が彼女を忘れたとき。
枯れ葉より脆い、彼女

私の記憶の片隅で、濃霧の湖に佇む彼女
彼女は誰だった?

無機質な声と重低音が脳を霧のように塞ぎ込む
これは彼女?

2/1/2025, 9:56:01 PM




一緒に過ごした夕暮れのとき

オレンジが光るビルの群れ
車の風を切る音
コンクリートの擦れる音

彼と聞くと耳に残らず
のに、今はやかましいくらい耳に残れば

いまも彼の声は聞こえない

そこの湖のボートごとひっくり返って
落ちてしまえばいいのに

1/23/2025, 9:29:13 AM

あけぼの 薄みがかる霧の空に
レースのカーテン たなびく風
冷風顔にあたり

浴びる光は朝日だけ

沈黙
情報が溢れる現代で
ヒトという貴方への
朝からの
沈黙 静寂の贈り物

1/21/2025, 7:31:10 AM

オランダの風車が回りだして
スイスの鶏が鳴く頃
私が服を着る頃に
君はベットの中

白砂の砂時計は残り僅か
君の白いパールのオペラチェーンで
私の脚を締め上げて

砂時計にも灰皿にもなんにも残らないで
ガラスに夜明けが反射する

1/19/2025, 1:44:59 PM

私の切実な願い
君の芸術に花が開くのは遠い未来
けれど、どうか好きに生きてほしい
それだけで、私の考えもつかない
大きな華を開花させて、人を魅了できるだろう

私についてこなかった君よ
手を差し伸べたのについてこない君は
これから、私の用意した道と外れて
長い、獣道が続くだろう
何処へ進んだら良いのか分からない
そんな景色が広がる

けれど、止まっていては何にも出会えないのだよ
足元の青い小さな花に満足していては
いつかその花が枯れた時に
何を信じていいか分からなくなるだろう

旅を続けて
様々な御人と出逢い、己を育み
自分自身が華となれ
私はそんな君とまた出会えることを夢見て
地平線の先に出る
また一周して出逢おう
このホールループに
この星で

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