11/11/2023, 8:04:21 AM
ススキ
ホウキ
シッポ
コムギ色
揺れる
群生してて
同じ方向に
風の吹く方向に
10/29/2023, 3:32:26 AM
暗がりの中で
きみに出会った
ここは、どこなのか
どうしてここへ来たのか
……思い出せない
ぼくは、理由も知らないまま、暗がりに立っている
わけもわからず立ちすくんでいると、声がした
やあ、
……だれ?
だれでも、いいじゃない
きみも、 光の扉を、くぐって来たんでしょう?
ぼくは、声のする方へ恐る恐る進んだ
ようこそ、よく来たね
ここには、痛みも、悲しみもない
ぼくが何も言い返さないでいると、きみは続けた
そういえば……
目の前が真っ白になって、それで……
でも、どうして目の前が真っ白になったのか、思い出せない
8/24/2023, 8:49:01 AM
海へ
晴れた日に、遠くで眺めるのがいい
照りつける日射しに、水面に揺らぎ続ける光
ザー、という音
海鳥の声、ベタつく風と、あのにおい
裸足を、波打ち際に差し出すのもいい
服を膝上まで捲し上げて、湿った砂に、足を踏み出す
途端に白い波がサーと砂浜を滑ってきて
25℃で、膝下を撫でてく
そしてすぐに砂を巻き込んで去っていった
またすぐにサーと這いつくばってきては、
サーと砂を巻き込んで、這って去ってく
砂に置いてきたサンダルが無いのに気がついて、
慌てて浮かんでいるサンダルを掴んだ
8/19/2023, 10:41:43 AM
空模様
かわるがわる流れてく
白い線と、
黒くて分厚い膜との、チェイス
青色の奪い合い
遅すぎる何もかも
手遅れになってから掴もうとする卑怯さ
逃げ回る卑怯さ
8/12/2023, 3:47:17 AM
麦わら帽子
美しいものは世の中にいくらでも溢れていて、
どれもこれも手にとってみたい
手に入れたい
身につけて、ひけらかしたい
平らなサンダルに麦わら帽子をひっかけて、
真っ黒になるまで太陽の下で戯れたあの頃には
到底想像もつかないこと
食べかけのスイカとおはぎを放って
クーラーに当たって
液晶画面を睨んでいる