nam

Open App
11/15/2023, 10:20:29 AM

ソールすらついちゃいないあしどりで
次の餌場を探してるよう

11/15/2023, 7:38:05 AM

さるならば置き土産をくださいな
ぬるいくらいはとっておきたい

11/14/2023, 7:38:38 AM

縁さえ あればどこかで 見合わして 縁さえ あったのならば 踏み出した

11/8/2023, 1:52:15 PM

 えぇ、えぇ、その通りにございます。私は諦めたのでございます。生来持って生まれた気性と気質が世間と噛み合わず、これまた生来持って生まれた顔が悪印象をさらに生んでしまうようで、私は大勢の人と関係を持つということをすっかり諦めたのですよ。
 もちろん子供の頃は努力しましたよ。笑顔は絶やさず、親切に。しかしこれが新たな苦悩として脳に刻まれました。いや笑顔は高評価だったのですが、その親切を便利と受け取った方々がいらしたもので、かと言う私もすぐには気づけず、あぁ……ハラショー……、今思えばこの時点で私はどうしようもないキチガイと成り果てる運命だったのでしょう。そのまま便利として使われて、しかし5年生にもなって反発すると……、彼らからしてみれば突然ハサミが自分に向かって突進してきたような心地でしたので、散々痛い目に遭いました。いえ冷たい目でしょうか。さて私もほとほとすり減ったもので親や教師にも助けを求めたものですがけんもほろろと捨てられてしまいました。自慢の笑顔もうまくできなくなりました。ハラショー………。あぁぁぁ……。
 そんなわけで私は何がどうなのか、道徳や正義とはなにかまるきりわからなくなってしまったので、とにかく引きこもってそれを探ろうと思ったのです。哲学……心理学………。ショーペンハウアーやアドラー、ユング………。とにかくそれらに触れているうちに、何ともわからぬ光のようなものが見えてきて私は暗い暗い穴の中から、ようやく穴の縁にまで抜け出すことができたというわけです。
 さて次に私が私のためにできることとは何だろうと考えた結果、それは道化となることでしたがもはや17程度の同級生たちは世間体のため笑うことはないだろうと思うと袋小路に戻ってきてしまいまして……。はて……はて……。と頭の真ん中に置いているとやはりまず第一印象をどうにかしようとまた最初に立ち返ることとなりました。一度子供の頃の笑顔を再現していたのですが、周りの反応を鑑みるにどこか違うらしく(私はやり方を変えていないのですが)、私の計略は失敗に終わりました。それならメイクかと思い立ったのですが、メイクというのも元の骨格が大切らしく、これもまたダメだなと辞めました。では骨格から変えようと今はバイトに励んでいるのですが、父や母は止めようとしてくるのです。訳を聞いたところ、そんなことをしなくても十分可愛いと。可愛い?ではなぜ私を見捨てたのでしょう。私にはわかりません。当時の父や母のことも。優しさを謳っていた先生のことも分かりません。私を追い詰めておきながら、子供の頃あなたの方が好きだったと宣う友人たちのこともわかりません。私にはわからないことばかりです。しかしどんな状況であれ、私は私のために選択しなければなりません。今はとりあえず整形を目指して働いています。ダメならば他のやり方で目指します。ただ、人と関わる。この一点においては疲れ果てました。私は諦めたのです。私はなにも得られず、今は自分のために生きています。悲しい気持ちばかりですが、辛いことは起きていません。それが身の丈にあった幸せというものなのでしょう。……あぁぁ、

11/7/2023, 3:18:27 PM

洗濯物は角っこを合わせて畳むあなたと、多少はズレるわたし。
肩から体を洗うあなたと、二の腕から洗うわたし。
映画館で塩キャラメル味のポップコーンを頼むあなたと、サルサソースのナチョスを頼むわたし。
側位で眠るあなたと、促位で眠るわたし。
右と左で向かい合い。

いつもはどこかあわないけど、それでも最後は2人でいる。
あなたが買ったキノコのようなカサのランプに照らされて、柔らかいクリーム色の髪が揺れ動く。どうやらそれはあなたの右腕が動いたからのようで、その腕は私の背中に回された。引き寄せられるようにして距離を縮める。

「……よく寝れそう?」

「おー」

問いかけると聞いているのかわからない答えが返ってくる。
それで少し安心した。あなたが調子の悪い時はいつも無言だから、声が聞けるだけでいい。脱力してあなたの胸に頭を預ける。分厚いくせに妙に柔らかい。ホットケーキに寝そべったら、こんな気分なんだろう。ご機嫌な調子でいると、あなたも楽しくなってきたみたいで私の髪をいじり始める。かきあげるようにして指の隙間に何房かさし入れた後、そのまま毛先まで伸ばしていく。

「髪の調子大丈夫そ?」

「おー」

「………。」

今度は返しようのない答えだと思った。しかし本当に髪の調子を知りたいのではないし、あなたの気分に変わりはない。したいようにすればいい。目を瞑って、されるがままに身を任せた。明日の天気はどうなっているのだろう。今の天気は……わからない。外の音は入ってこないから。あなたの心臓の音は聞こえるけど、それだけ。わたしの頼りはそれだけなのよ。



アラームで彼が起きる前に目を覚ます。わたしもあなたも、寝てから目覚めるまでずっとこの姿勢。だからちゃんと鼓動が聞こえるの。昨日よりは遅い。トクントクンって。それに耳を傾けながら、わたしの左手はあなたの左手に触れる。慣れたもので、探す必要もない。そこから親指、小指、内側の3本の輪郭を掴む。その指たちの内側の右側。そこが薬指。根本にわたしの五指を添えさせる。あなたが何で悩んでいるのか知ってるよ。それをわたしに言おうとしない理由も、考えているそぶりも見せない理由も。
 
洗濯物は角っこを合わせて畳むあなたと、多少はズレるわたし。
肩から体を洗うあなたと、二の腕から洗うわたし。
映画館で塩キャラメル味のポップコーンを頼むあなたと、サルサソースのナチョスを頼むわたし。
側位で眠るあなたと、促位で眠るわたし。
右と左で向かい合い。

いつもはどこかあわないけど、それでも最後は2人でいる。
前の女なんて関係ないの。最後は2人。あなたとわたし。

Next